<新興国eye>トルコ12月CPI、前年比64.8%上昇に加速―前月比は2.9%上昇に減速(2)

新興国

2024/1/5 8:58

 他方、セクター別の前年比(全体指数)は、ホテル・カフェ・レストランが93.24%上昇(前月は92.86%上昇)と、最も高い伸びとなった。値上げが背景。次いで、教育が82.06%上昇(同81.49%上昇)、ヘルスが79.59%上昇(同82.13%上昇)、運輸も77.14%上昇(同70.04%上昇)、食品・清涼飲料水は72.01%上昇(同67.16%上昇)、アルコール飲料・たばこは71.26%上昇(同71.35%上昇)と、全体の伸び(64.77%上昇)を上回った。

 このほか、レクリエーション・文化は61.26%上昇(同56.92%上昇)、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは58.97%上昇(同59.78%上昇)、家具・生活用品は58.46%上昇(同59.86%上昇)、通信は51.02%上昇(同48.2%上昇)。対照的に、住宅が40.39%上昇(同37.54%上昇)と、最も低い伸びとなった。次いでアパレル・靴が40.74%上昇(同40.72%上昇)だった。

 他方、全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコア指数(グループC)は前月比2.31%上昇と、11月の同1.96%上昇を上回り、5カ月ぶりに加速、10月の同3.72%上昇以来の高い伸びとなった。ただ、コア指数は依然として7月の9.61%上昇をピークに低下傾向にある。

 また、コア指数の前年比は70.64%上昇と、11月の69.89%上昇を上回り、伸びが8カ月連続で加速。22年10月の直近ピーク(70.45%上昇)を上回った。しかし、全体指数の伸びよりも小幅となったことから、市場の一部ではコア指数は改善方向にあるため、トルコ中銀は次回1月25日の金融政策決定会合で金利を一時的に据え置く可能性があると見ている。ただ、大方は中銀が今年後半に政策金利を現在の42.5%から45%に引き上げたあと、利上げサイクルを終了(金利据え置き)すると予想している。

 中銀は23年11月2日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、23年末時点のインフレ見通し(中心値)を前年比65%上昇、24年末時点の見通しは36%上昇、25年末時点の見通しを14%と予想している。

 また、中銀が23年12月中旬に発表した市場参加者による最新の12月経済予測調査(月報)によると、23年末時点のインフレ見通しは前月(11月)の67.23%上昇から65.41%上昇に引き下げられた。2カ月前(10月)は67.87%上昇だった。1年後のインフレ見通しも44.07%上昇から41.23%上昇に引き下げられている。2カ月前は45.75%上昇だった。

 ただ、市場では3月の地方選挙を控え、政府による景気刺激策が予想されることや、最低賃金が49%引き上げられることが決まったため、インフレ率の上昇は今後も続き、24年4-6月期の前年比73%上昇でピークを迎えると予想している。

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 上場MSエマ<1681.T>

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