<新興国eye>前週のインド株、利食い売りや原油高、コロナ感染再拡大懸念を受け反落=BRICs市況
2024/1/9 8:57
前週(1-5日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の5日終値は前日比0.25%高の7万2026.15、週間ベースでは12月29日終値比0.3%安と、反落した。
週明け1日は指数が上昇。翌2日は反落、3日も続落した。4日は反発。
週前半は、外国人投資家の買い越しや米早期利下げ期待で買いが先行、指数は一時、日中最高値を更新した。しかし、終盤に利食い売りが強まったため、上値は重くなった。ITサービス大手テック・マヒンドラが急騰した一方で、ウルトラテック・セメントが下落した。その後は、原油価格の上昇や新型コロナ感染再拡大懸念が広がり、売りが優勢となった。インドは世界3大原油輸入国の1つとして知られ、原油高は懸念材料となる。また、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。
週後半は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の公表を受け、米3月利下げ転換観測が後退したことや、国内経済成長に対する懸念が強まる中、企業のプロジェクト投資が減少するとの見方で、ITセクターが下落したため、売りが優勢となった。ただ、バジャージ・オートが自社株買いを検討するとの思惑で急騰、港湾運営大手アダニポーツ&SEZや金融大手のインダスインド銀行も買われたため、下値は限られた。その後は、ノンバンクのバジャジ・ファイナンスが23年10-12月期の新規融資が急増、また、不動産セクターの23年下期売上高が過去最高を記録したことを受け、いずれも急騰、上げをけん引した。
週末5日は続伸。引き続き不動産セクターが買われ、上げを主導。不動産大手のマクロテックやソブハ、オベロイ・リアルティが好調な四半期決算を発表したことが背景。ただ、終盤に医薬品や金属を中心に利食い売りが強まったため、上値は重くなった。
今週(8-12日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニューも注目される。主な経済指標の発表予定は12日の11月鉱工業生産と12月CPI(消費者物価指数)など。
<関連銘柄>
インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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