【為替本日の注目点】日米で株価の上昇続く
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は小幅に水準を下げる。日銀の決定会合を前に持ち高調整の売りが優勢となり、147円62銭まで下落。ユーロドルは小幅に上昇したものの、値幅は限定的。株式市場は3指数が揃って3日続伸。ダウは138ドル上昇し、初の3万8000ドル台に乗せる。債券は続伸。長期金利は小幅に低下し、4.10%台に。金は反落。原油は反発し75ドル台を回復。
12月景気先行指標総合指数 → -0.01%
マーケット情報
ドル/円 147.62 ~ 148.14
ユーロ/ドル 1.0880 ~ 1.0900
ユーロ/円 160.75 ~ 161.35
NYダウ +138.01 → 38,001.81ドル
GOLD -7.10 → 2,022.20ドル
WTI +1.78 → 75.19ドル
米10年国債 -0.017 → 4.105%
本日の注目イベント
豪 豪12月NAB企業景況感指数
日 日銀金融政策決定会合
日 植田日銀総裁記者会見
欧 ユーロ圏1月消費者信頼感指数(速報値)
米 1月リッチモンド連銀製造業景況指数
米 企業決算 → GE、P&G、J&J、ベライゾン、ネットフリックス
米 大統領選、ニューハンプシャー州予備選(共和、民主)
ドル円は147円台半ばから148円台前半で推移し、この所の動きとしては比較的小動きでした。本日、日銀の金融政策決定会合の結果が発表されることから、その内容を見極めたいとする雰囲気のようです。もっとも、政策変更は予想されてはおらず、注目は午後3時半から行われる植田総裁の会見に絞られていると見られます。今朝の日経新聞では、民間のシンクタンクの試算をベースに、個人消費を左右する「実質賃金」をプラスにするには今年度の賃上げが「3.6%」必要との同社の見通しを掲載しています。消費者物価指数が上昇しているため、物価変動の影響を加味すると「3.6%」以上の賃上げ率がないと、実質的には賃金が増えていないことになり、消費が伸びないとされています。
23年度の厚生労働省の「賃金実態調査」によると、従業員5000人以上の企業では「68.4%」が基本給を底上げするベースアップを実施したが、300人未満では「45.9%」となっています。「国内の7割を占める中小企業で賃上げが後手に回っている」ことが、欧米に比べ実質賃金がプラスに転じない理由になっていると指摘しています。
米国では本日ニューハンプシャー州で民主、共和両党の予備選が行われます。共和党の指名争いでは、前日フロリダ州のデサンティス知事が選挙戦からの撤退を表明したことで、トランプ氏とヘイリー氏の一騎討になります。21日に発表されたCNNの世論調査では、同州共和党予備選有権者の支持率はトランプ氏が50%で、ヘイリー氏は39%でした。ブルームバーグは、「トランプ氏が圧勝した先週のアイオワ州党員集会に比べれば接戦の状況を示唆する。ヘイリー氏にとっては、ニューハンプシャー州が勝敗の分かれ目になりそうだ。ヘイリー氏は、同州予備選ではトランプ氏に逆転勝利もしくは僅差の争いになるチャンスはまだあると主張するが、その可能性は狭まっている」と報じています。さらにブルームバーグは、かつて同州の共和党委員長を務めたジェニファー・ホーン氏のコメントを紹介し、同氏は「もしトランプ氏がニューハンプシャー州で勝てば全てが終わる。ただ、本当に正直言えば、もう終わっていると思う。ヘイリー氏がニューハンプシャー州にいたのが1日だろうと1000日だろうと、彼女はトランプ氏に投票すべきではない理由を誰にも与えなかった」と述べ、ホーン氏自身は現在無党派で、「本選ではバイデン氏に投票するつもりだ」と語っていると紹介しています。
個人投資家の目は株式市場に集まっているようです。昨日も日経平均株価は580円以上も上げ、3万6500円台まで買われています。NYではダウが史上初となる3万8000ドル台を付け、中国を除いてはほぼ世界中で株高が見られます。インフレのピークは過ぎ、今年は金融緩和が見込まれることが背景ですが、日本ではやや趣が異なり、YCCの修正やゼロ金利政策の解除が見込まれています。言い換えれば日本では、金利が上昇することを意味していますが、「それでも緩和スタンスは変わらない」といった声が株式関係者からは聞こえてきます。日経平均株価は本日も上値を試す動きが見込まれます。まだ目立った影響はありませんが、この先株価の動きが為替に与える影響にも注意したいと思います。
本日のドル円は、植田総裁の会見もあることから147円~149円程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
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