<米国株情報>メーシーズ、投資家グループからの58億ドルの買収提案を拒否

株式

2024/1/23 10:05

百貨店チェーン大手メーシーズ<M>は21日、投資家グループによる58億ドルの買収提案を拒否したことを明らかにした。

 投資家グループは不動産投資ファンド大手アークハウス・マネジメントと、主に小売業界に投資しているヘッジファンドのブリゲード・キャピタル・マネジメントで、23年12月1日にメーシーズに対し、同社の非公開化(上場廃止)を前提とした買収案を提示していた。

 買収額は1株当たり21ドルで、メーシーズの当時の株価(17.39ドル)に対し、約21%のプレミアム(上乗せ額)、先週末時点の終値(17.63ドル)では19ドルのプレミアムとなっているが、15年のピーク時の70ドルに比べるとかなり低い。

 メーシーズのジェフ・ジェネットCEO(最高経営責任者)は声明文で、買収拒否の理由について、「アークハウスとブリゲードからの追加情報収集を慎重に検討した結果、取締役会はこの提案は実行不可能であり、メーシーズの株主を説得するに値する価値は見いだせないと判断した」とし、また、アークハウスとブリゲードの買収資金の調達能力への懸念を挙げている。投資家グループは投資銀行ジェフリーズが買収資金を支援すると指摘している。

 アークハウスは声明文で、メーシーズの株主に直接、買収提案を働きかける構えを見せており、デューディリジェンス(適切な企業や資産の調査・確認手続)を条件に、買収額の大幅増額の可能性も指摘している。ただ、メーシーズは、「投資家グループとは機密保持契約を結ばず、また、デューディリジェンス情報も提供しないことも決定した」としている。

 市場ではメーシーズの価値は不動産だけで75億-116億ドルと推定、この中央値96億ドルは投資家グループの買収額を38億ドル上回っており、投資家グループの58億ドルの買収額は安すぎると見ている。

 買収の背景には百貨店を通さず直接、商品を消費者に販売するオンライン小売業者との競争激化により、メーシーズの最近の売り上げが前年水準を下回り、低迷が続いていることがある。メーシーズの22年度(22年2月-23年1月)の売上高は前年比横ばいの244億4200万ドル、純利益は同18%減の11億7700万ドルだった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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