香港前場:ハンセン0.9%安で続落、上海総合は1.2%上昇

サーチナ

中国株

2024/2/8 14:29

 8日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比140.23ポイント(0.87%)安の15941.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が43.04ポイント(0.79%)安の5378.49ポイントと続落した。売買代金は416億1070万香港ドルに縮小している(7日前場は605億560万香港ドル)。

 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国企業の業績鈍化や、国内のデフレなどが投資家心理を冷やしている。朝方公表された1月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.8%(市場予想マイナス0.5%)という結果。リーマンショック翌年、2009年以来の下落率となった。生産者物価指数(PPI)もマイナス2.5%と下落が続いている。消費活動の停滞が続いていると懸念された。また、香港市場はあす午後から週明け13日まで休場となることも(本土市場は9~18日が休場)、買い手控え要因として意識されている。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(9988/HK)が6.8%安。7日引け後に発表した10~12月期決算は純利益が69%減少し、1株利益が予想を下回っている。ほか、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が8.0%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が7.5%安と下げが目立つ。前日の取引では、標的とされた米バイオ企業規制案の警戒感がやや薄れる中で急伸していたものの、不安は払しょくされなかったようだ。

 セクター別では、中国の銀行が軒並み安。中国銀行(3988/HK)が2.0%、中国農業銀行(1288/HK)が1.6%、中国建設銀行(939/HK)が1.3%、中信銀行(998/HK)が1.0%ずつ下落した。

 消費関連の銘柄もさえない。豚肉加工大手の中国雨潤食品集団(1068/HK)が5.7%安、中国外食大手の百勝中国HD(9987/HK)が5.2%安、家電メーカー中国大手の海爾智家(6690/HK)が2.5%安、即席麺の日清食品(1475/HK)が1.7%安で前場取引を終えた。

 半面、中国の証券セクターはしっかり。広発証券(1776/HK)が3.3%高、中国国際金融(3908/HK)が2.1%高、海通証券(6837/HK)が1.4%高、国聯証券(1456/HK)が1.0%高で引けた。

 中国不動産セクターも高い。融創中国HD(1918/HK)が7.7%、雅居楽集団HD(3383/HK)が4.5%、遠洋集団HD(3377/HK)が4.3%、広州富力地産(2777/HK)が4.0%ずつ上昇した。

 一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.15%高の2862.31ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。保険・証券株、医薬株、ハイテク株、素材株、自動車株、インフラ関連株なども買われた。半面、銀行株は安い。エネルギー株、食品・酒造株も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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