<新興国eye>トルコ12月失業率、8.8%に低下―予想下回る

新興国

2024/2/16 8:44

 トルコ統計局が12日発表した23年12月の失業率(季節調整後、15歳以上)は8.8%と、前月(11月)の8.9%を下回り、市場予想(9.2%)も下回った。11年ぶりの低水準だった10月の8.6%に近い低水準。1年前の10.3%やコロナ禍前の20年1月の13.0%を大きく下回っており、失業率は21年4月の13.5%をピークに低下傾向にある。

 15-24歳の若年層の失業率も15.5%と、前月の16.3%を下回り、12年9月(15.3%)以来、11年3カ月ぶりの低水準となった。1年前の19.5%を大きく下回っている。

 他方、労働供給の余地(活用できていない労働力)を示す、いわゆる未活用労働者比率(labour underutilization rate)は24.7%と、前月の22.6%から2.1ポイント上昇、21年5月(27.2%)以来、2年7カ月ぶりの高水準に戻り、雇用市場のたるみ(労働力の供給過剰)感が高まった。ただ、コロナ禍により外出制限など規制が強かった21年1月の29.3%をピークに低下傾向にある。

 未活用労働者はさらに長時間の就労を希望している就業者と求職活動をしている失業者、求職活動はしていないが就業を希望している潜在労働力人口を合計したもので、労働供給の「伸びしろ」を示す。

 失業者数(15歳以上)は前月比1万2000人減の309万8000人と、減少に転じた。また、前年同月比では48万3000人減と、1年前の水準を大幅に下回っている。

 雇用者数は前月比39万9000人増の3205万6000人と、増加に転じ、23年5月の直近ピーク(3170万8000人)を上回り、05年以降で最大となった。前年比71万6000人増だった。雇用率は48.8%と、前年同月の48.1%や直近ピークだった23年10月の48.6%を上回り、これも05年以降で最大となった。

 また、労働市場参加率は53.5%と、前月の53.0%から上昇に転じ、23年5月(53.6%)以来の高水準に戻ったことは明るい材料。ただ、1年前の53.6%や23年1月の53.9%の直近ピークを下回っている。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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