【為替本日の注目点】S&P500、再び最高値更新
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は150円台から下落。米金利の低下と急速にドル高が進んだことで利益確定の売りも出た模様。ドルの安値は149円51銭近辺。ユーロドルは動意なく、1.07台半ばから後半で推移。株式市場は3指数が揃って上昇。S&P500は29ポイント上昇し最高値を更新。債券は続伸。長期金利は4.23%台へと低下。金は6日ぶりに反発。原油も買われ78ドル台に。
新規失業保険申請件数 → 21.2万件
2月NY連銀製造業景況指数 → -2.4
2月フィラデルフィア連銀景況指数 → 5.2
1月小売売上高 → 0.8%
1月鉱工業生産 → -0.1%
1月設備稼働率 → 78.5%
1月輸入物価指数 → 0.8%
1月輸出物価指数 → 0.8%
2月NAHB住宅市場指数 → 48
マーケット情報
ドル/円 149.51 ~ 150.25
ユーロ/ドル 1.0743 ~ 1.0784
ユーロ/円 160.90 ~ 161.64
NYダウ +348.85 → 38,773.12ドル
GOLD +10.60 → 2,014.90ドル
WTI +1.39 → 78.03ドル
米10年国債 -0.025 → 4.230%
本日の注目イベント
英 英1月小売売上高
米 1月生産者物価指数
米 1月住宅着工件数
米 1月建設許可件数
米 2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米 バー・FRB副議長講演
ドル円は150円台から売られ149円台半ばまで下落し、上昇も一服といった状況です。昨日の朝方には日本の第4四半期のGDPが発表され、前年同期比で「-0.4%」と、2四半期連続のマイナス成長でした。景気の悪化は、今後日銀がマイナス金利解除を進めにくくなるとの見方もあり、円安要因と見られましたが、影響はほとんどありませんでした。むしろ、ドルベースでのGDPがドイツに抜かれ、世界第4位が決まったことが話題でした。ドイツはもちろん日本より人口が少なく、1人当たりGDPを見ればその差は歴然です。いずれインドにも抜かれ、世界第5位の座も用意されているようです。
昨日のNYでは多くの経済指標が発表されました。小売売上高は前月比「0.8%減」と、およそ1年ぶりの大幅減となり、ブルームバーグは「買い物疲れ」といった見出しを付け、米国の象徴であるワシが疲れた顔で買い物袋をぶら下げデパートのエスカレーターから降りて来る姿を「風刺的に」報じていました。一方NY連銀製造業景況感指数は2020年以来となる大幅上昇を見せ、住宅市場は6カ月ぶりの水準に上昇。また、新規失業保険申請件数は「21.2万件」に減少しており、まちまちの指標結果が示されました。債券と株が買われ、S&P500は再び最高値を更新しています。FRBがいずれ利下げモードに転じるという読みが株価を押し上げているのでしょうか。
久しぶりに北朝鮮に関するニュースが入ってきました。北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長が15日発表した談話で、日朝首脳会談実現の可能性について言及しています。金与正氏は、いうまでもなく金正恩朝鮮労働党総書記の妹ですが、与正氏は、「日本がすでに解決済みの拉致問題のような障害物を持ち出さなければ、首脳会談は可能」と示唆し、「個人的な見解」とした上で、「日本が時代錯誤の敵対心や実現不可能な願望から勇気を持って決別し、政治的判断を下して関係修復の新たな道を切り開くのであれば、両国はともに新しい未来を切り開くことができる」と述べています。「与正氏のこうした談話は異例で、約2年前の発言とはトーンが大きく異なる」とブルームバーグは伝えています。思えば、元日の能登半島地震に関しても、金正恩氏が岸田首相に見舞いの電報を送っており、北朝鮮は日本との関係修復を意図している可能性もありそうです。ただ今回の発言は、「拉致問題は忘れろ」と言っているのに等しく、政府としては簡単に受け入れるわけにはいかないはずです。
一方中東情勢は一段と不透明になってきました。イスラエルは15日、親イラン民兵組織ヒズボラの幹部を空爆で殺害したと明らかにしています。イスラエル軍によると、レバノン南部ナバティエでヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」所属の幹部と他の2人を殺害した模様で、ヒズボラがイスラエル北部にロケット弾を発射し、女性1人が死亡したことへの報復だとしています。ヒズボラとの戦闘が激化すれば、イスラエルはイスラム組織ハマスに加えて、ヒズボラとの闘いで新たな戦線を開くことになり、中東情勢はさらに悪化しそうな状況です。
本日は重要な指標が2つ発表されます。1月の生産者物価指数(PPI)と、2月のミシガン大学消費者マインドです。インフレの行方と消費者が景気の先行きをどのように見ているのかが示されます。
下値のメドは、転換線が示す149円26銭(日足)と、節目の149円ということになりそうです。本日のドル円は149円20銭~150円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
関連記事
-
10時の注目株=好業績確認、株価は新局面へ――エスペック
2024/2/16 10:00
環境試験器で世界最大のエスペックを狙う。 24年3月期第3四半期累計(23年4-12月)の連結営業利益は42億1100万円(前年同期比74.3%増)と過去最高を更新し、通期計画(55・・・…続き
-
ヘッドウォーがストップ高、AzureOpenAI向けにAIラボサービス提供開始
2024/2/16 9:58
ヘッドウォータースがストップ高。1500円高の1万1030円まで上昇している。日本マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」利用企業向けにテキスト、音声、画像・映像・・・…続き
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=コスモエネHD:25日線を突破、5日線と25日線のミニGCが形成寸前
2024/2/16 9:45
石油元売り大手のコスモエネルギーホールディングスの株価が15日に前日比44円高と続伸して、終値で25日移動平均線を抜いてきた。緩やかに上昇中の25日線に5日線が下から接近しており、2・・・…続き
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=サンケン電気:5日線を上回り、日足一目均衡表の「雲」の上限を突破
2024/2/16 9:44
サンケン電気の株価が15日に前日比402円高と上伸して、終値で5日移動平均線に対するプラスカイ離を回復してきた。日足一目均衡表においても2本の先行スパンで囲まれた「雲」と呼ばれる抵抗・・・…続き
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=日本電子:5日・25日の両移動平均線を上回る
2024/2/16 9:43
電子顕微鏡大手の日本電子が日足で14日に5日線と25日線のミニ・デッドクロス(DC)を形成したものの、翌15日に前日比236円高と続伸して、終値で5日・25日の両移動平均線に対するプ・・・…続き
速報ニュース
-
日経平均は531円安と大幅反落、プライムの値下がり銘柄は7割近い=8日前場
22分前
-
23分前
-
<個別株動向>新明和、ジンズHD、ザイン、魚力、アジャイルM=8日前場
24分前
-
8日前引けの日経平均株価=531円71銭安の3万8303円39銭と大幅反落
41分前
-
ヒロセ電が続伸、25年3月期は増収増益見通しに配当の増額を計画
50分前
-
日経平均は390円程度安、採用銘柄の値下がり率上位にリコー、任天堂、NECなど
1時間前
-
1時間前
-
1時間前
-
(再送)リコーが急落、25年3月期の利益計画が市場予想の平均に届かず
1時間前
-
(再送)インソースが急騰しストップ高カイ気配、24年9月期第2四半期決算は大幅な増益で着地
1時間前