【為替本日の注目点】ドル円再び150円台半ばに
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は再び150円台を回復。1月のPPIが予想を上回ったことで、米金利が上昇。ドル円は150円65銭まで買われる。ユーロドルは依然方向感がなく1.07台半ばから後半で推移。株式市場は3指数が揃って反落。高値警戒感もあるなか、ダウは145ドル下落。債券は反落。長期金利は4.27%台へと上昇。金は続伸。原油も買われ79ドル台に。
1月生産者物価指数 → 0.3%
1月住宅着工件数 → 133.1万件
1月建設許可件数 → 147.0万件
2月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 79.6
マーケット情報
ドル/円 150.09 ~ 150.65
ユーロ/ドル 1.0733 ~ 1.0787
ユーロ/円 161.49 ~ 161.95
NYダウ -145.13 → 38,627.99ドル
GOLD +9.20 → 2,024.10ドル
WTI +1.16 → 79.19ドル
米10年国債 +0.049 → 4.279%
本日の注目イベント
英 英1月小売売上高
米 1月生産者物価指数
米 1月住宅着工件数
米 1月建設許可件数
米 2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米 バー・FRB副議長講演
米1月の生産者物価指数(PPI)を受け、ドル円は買われ150円65銭まで上昇しました。前日149円台半ばまで売られましたが、再び150円台半ばまで円が売られ、円の独歩安の展開となり、ユーロ円も162円に迫る水準まで上昇してきました。1月のPPIは前月比で「0.3%」(12月はマイナス0.1%)と、市場予想の「0.1%」を上回り、前年同月比でも「0.9%」(12月は1%)と、市場予想の「0.6%」を上回っていました。これで先に発表されたCPIと共に、米国の根強いインフレ圧力が浮き彫りとなり、パウエル議長を初め多くのFOMCメンバーがインフレの先行きには慎重な発言を繰り返していたことと整合する形になってきました。
今回のPPIの上振れで、「インフレが十分に収まったと金融当局が確信するまで、利下げが見送られる」といった見方を後押しすることになりますが、サマーズ元財務長官はブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、「次の動きが金利引き下げではなく、引き上げになる可能性はそれなりにある。恐らく15%程度だ」と述べ、「米金融当局は非常に慎重になる必要があるだろう」と話しています。実際にブルームバーグは、独自に先物オプションを分析し、「市場が予想する利上げ確率は1カ月前の5%未満から15%へと上昇している」と説明しています。今年のFOMCで投票権を持つサンフランシスコ連銀のデーリー総裁は16日の講演で、「物価の安定は視野に入っている。ただ、まだやるべき仕事はある」と述べ、「供給力を上回る経済の勢いが継続しており、それが引き続きインフレ見通しにリスクになっている」と指摘しています。基本的には、米金融当局がまだ利下げのタイミングを探っていることは変わらないと思いますが、今後は「利下げだけではない」という事になり、発表されるデータ依存度がさらに高まることになりそうです。投資家の皆さんも、そこは柔軟に対応する必要があります。市場はデータが発表されるたびに大きく揺れ動き、一喜一憂しています。
NY州地裁は16日、トランプ氏に3億5000万ドル(約530億円)以上の罰金を支払う判決を下しました。トランプ氏が一族で運営するトランプ・オーガニゼーションが純資産を過大評価して不当に利益を得ていたとされる訴訟で不正を認定したものです。先週のコメントで裁判の行方次第では、トランプ氏は今後選挙活動費が枯渇するリスクがあることに触れましたが、今朝の報道では「ブルームバーグ・ビリオネア」(ブルームバーグが集計する、世界の超富裕層のリアルタイムでの資産の推移を表すサイト)のデータを基に、同氏の資産は不動産などを含め31億ドルあり、現金資産も6億ドルほどあるとのことで、当面問題はないとのことです。トランプ氏は当然控訴すると思われますが、同判決について「インチキ裁判官と腐敗した司法長官は理由もなく罰金を科した。選挙介入だ。魔女狩りだ」と怒りを表していました。
本日のドル円は149円50銭~150円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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