【為替本日の注目点】FOMC議事録を受けややドル高に

為替

サーチナ

2024/2/22 10:15

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は150円を挟みもみ合い。材料難から売りも買いも手控えられるなか、FOMC議事録を受け金利が上昇したことでやや買いが優勢に。ユーロドルは、1.08台で小動き。ユーロ円が続伸し162円台半ばまで上昇。株式市場はまちまち。取引終了後に発表されるエヌビディアの決算発表を見たいとする雰囲気が強まった。そのエヌビディアの決算は市場予想を上回る。債券は売られ、長期金利は4.31%台に上昇。金は反落し、原油は反発。

マーケット情報

ドル/円 149.95 ~ 150.40

ユーロ/ドル 1.0800 ~ 1.0825

ユーロ/円 162.08 ~ 162.59

NYダウ +48.44 → 38,612.24ドル

GOLD -5.50 → 2,034.30ドル

WTI +0.87 → 77.91ドル

米10年国債 +0.043 → 4.319%

本日の注目イベント

トルコ トルコ中銀政策金利発表

独   独2月製造業PMI(速報値)

独   独2月サービス業PMI(速報値)

欧   ユーロ圏2月製造業PMI(速報値)

欧   ユーロ圏2月サービス業PMI(速報値)

欧   ユーロ圏2月総合PMI(速報値)

欧   ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)

欧   ECB議事要旨(1月開催分)

英   英2月製造業PMI(速報値)

英   英2月サービス業PMI(速報値)

米   2月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)

米   2月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)

米   2月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)

米   1月中古住宅販売件数

米   新規失業保険申請件数

米   ジェファーソン・FRB副議長講演

米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

米   クック・FRB理事講演

米   カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、パネルディスカッションに参加

米   ボウマン・FRB理事講演

米   クック・FRB理事、基調講演

米   ウォラー・FRB理事講演

米   企業決算 → モデルナ

加   カナダ12月小売売上高

 ドル円はやや材料難のなか、買いが優勢となり150円40銭近辺まで買われましたが、先週までの勢いはなく、公開されたFOMC議事録の内容がややタカ派的だったことでドル買いが優勢でした。1月30-31日に開催された議事録では、大部分のFOMC参加者が時期尚早な利下げに懸念を表明し、高金利を過度に長く維持するよりもリスクが大きいとの考えを示唆していました。議事録は、「大部分の参加者は政策スタンスを時期尚早に緩和するリスクを指摘し、インフレ率が2%まで持続的に低下しているかを見極める上で、今後入手するデータを注意深く評価することの重要性を強調した」と記されていました。また、「利下げを長く待ち過ぎることによる経済へのリスクを指摘した当局者は2名だけだった」とし、「参加者は景気抑制的な金融政策スタンスをどれくらいの期間維持する必要があるかに関連して不確実性を強調した」としていました。ブラックアウト期間終了後、多くのFOMCメンバーが市場の楽観的なインフレに対する見方をけん制して来たことと整合します。その後発表された米1月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)はともに市場予想を上回る結果となっており、米金融当局者が懸念していたように、米国のインフレはやはり粘着性があることが確認されています。

 リッチモンド連銀のバーキン総裁はシリウスXMとのインタビューで、そのCPIの統計に言及しています。総裁は、「財の価格は低下しているが、居住費とサービス価格がそれを相殺する以上の伸びを示した」と述べ、「現在は前年比のデータより、短期的なインフレの数値に注視している」と語っています。また、FRBのボウマン理事もワシントンでのイベントで、利下げについて質問を受け、「それが今でないのは確実だ」と答えています。

 ロイター通信は、イランが数百発の地対地弾道ミサイルをロシアに供与したと伝えています。約400発のミサイルの中には、「ゾルファガール」のような短距離弾道兵器も多数含まれているとされ、武器供与は1月初旬に開始され、今後数週間にさらに増えると報道されています。ロシアが優勢を強めているウクライナでの攻撃も、まもなく2年が経過し3年目に突入します。最近あまり報道されなくなりましたが、ウクライナではすでに7万人以上がロシアの攻撃で死亡しているようです。「戦争疲れ、警報疲れ」がウクライナでまん延しており、ウクライナ軍の士気にも影響している模様です。軍トップの更迭などは、その象徴かもしれません。

 本日はFOMCメンバーの講演も多く予定されています。議事録で示されたように、メンバーの多くが「利下げは時期尚早」との考えを示すと予想され、市場への影響があるとすれば、ややドル高で影響するかもしれませんが、大きな材料にはなりにくいでしょう。

 本日のドル円は149円50銭~151円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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