米1月中古住宅販売件数、前月比3.1%増の年率400万件―市場予想上回る

経済

2024/2/26 8:02

<チェックポイント>

●前年比は1.7%減―30カ月連続で前年割れ

●住宅価格は7カ月連続低下も1月としては過去最高

●NAR、「底打ちと判断するのは時期尚早」と

 NAR(全米不動産業協会)が22日に発表した1月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比3.1%増の年率換算400万件となり、市場予想の平均値である397万件をやや上回った。400万台は23年8月の405万件以来5カ月ぶり。前月(12月)は378万件から388万件に上方改定されている。一方、季節要因を無視できる前年比は1.7%減と30カ月連続で前年を下回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、1月の販売件数が増加したことについて、「需要と供給が拡大し始めた」とした一方、「販売件数が底打ちしたと判断するのは時期尚早」と慎重な見方を示している。

 住宅供給の過不足感を示す1月時点の未販売住宅(在庫)は前月比2.0%増の101万件と、前月の99万件から増加し、販売ペースは、販売物件が1月中に市場に残っていた期間が36日間と、前月の29日間や1年前の33日間を上回った。販売ペースで換算した在庫水準は3カ月分と、前月の3.1カ月を下回り、23年3月の2.7カ月以来の低水準。

 住宅価格(中央値)は前月比0.6%低下の37万9100ドルと7カ月連続で低下し、3月の37万5300ドル以来、10カ月ぶりの低水準となった。ただ、1月の価格としては過去最高で、前年比は5.1%上昇と、7カ月連続で前年水準を上回った。

 価格は低下傾向ながら依然高水準なこともあり、1月の新規住宅取得者の比率は28%と、前月の29%や1年前の31%を下回り、過去平均の40%を大きく下回った。

 最近になって住宅ローン金利が再び上昇し始めたため、市場では低金利時に中古住宅を購入した所有者が持ち家の売却に慎重になっているとみている。ユン氏は、「中古物件の売却に躊躇している住宅所有者が多いが、供給が増えれば価格上昇は緩やかになるだろう」と指摘している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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