【為替本日の注目点】ドル円150円85銭まで上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は小動きのなかジリジリと値を上げ、NYでは150円85銭まで買われる。FOMCメンバーの利下げに対する慎重な発言がドルを支える。ユーロドルは変わらず、1.08台前半から半ばで小動き。株式市場は軟調な動きが続き、3指数は揃って下落。ダウは23ドル下げ、3日続落。債券は反発。長期金利は4.26%台に低下。金と原油は揃って売られる。
10-12月GDP(改定値) → 3.2%
マーケット情報
ドル/円 150.55 ~ 150.85
ユーロ/ドル 1.0807 ~ 1.0845
ユーロ/円 162.81 ~ 163.40
NYダウ -23.39 → 38,949.02ドル
GOLD -1.40 → 2,042.70ドル
WTI -0.33 → 78.54ドル
米10年国債 -0.039 → 4.264%
本日の注目イベント
豪 豪1月小売売上高
日 1月鉱工業生産
独 独2月雇用統計
独 独2月消費者物価指数(速報値)
英 英1月消費者信用残高
米 新規失業保険申請件数
米 1月個人所得
米 1月個人支出
米 1月PCEデフレータ(前月比)
米 1月PCEデフレータ(前年比)
米 1月PCEコアデフレータ(前月比)
米 1月PCEコアデフレータ(前年比)
米 2月シカゴ購買部協会景気指数
米 1月中古住宅販売成約件数
米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、座談会に参加
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、イベントに参加
米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会に参加
150円台半ばで推移していたドル円は欧州時間に150円79銭まで買われ、NYでは150円85銭まで買われましたが、今回も151円には届いていません。これで今月に入ってこの水準をテストするのは3回目になりますが、やはり150円台後半が壁になりつつあり、意識されているようです。昨日は米金融当局者が揃って利下げに対して慎重な発言を行い、これがドルを支えた格好でした。
アトランタ連銀のボスティック総裁は、「2%への迅速な道のりではないことを示唆する兆候がなお見られる」と指摘し、「そこに向って進み、悪いことが起こっていない限り、忍耐強く臨むことに満足している」と述べました。また今夏の利下げを実施することが適切になるとの見方を改めて示しながらも、「まだやるべきことが残っており、勝利宣言することに消極的なのはこのためだ。長い闘いに取り組んでいる」と語っています。ボストン連銀のコリンズ総裁も同様なスタンスを示し、「年内に政策緩和を開始するのが適切になるだろう。そうなれば、徐々に金利を引き下げるという整然としたフォワードルッキングなアプローチが、物価の安定と最大限の雇用を促しながらも、リスク管理に必要な柔軟性を提供するはずだ」と述べ、「インフレ率は依然として高く、安定的な2%前後への道筋は険しいものになる公算が大きい」と話しています。また、NY連銀のウィリアムズ総裁も、1月の消費者物価指数(CPI)が市場予想より強い内容だったことについて、「持続的な2%インフレ目標に向けて、まだ長い道のりがある」と発言しています。このように、3総裁とも「利下げ開始のタイミングを模索しながらも、安定的な2%物価上昇を示すデータを手に入れるまでは我慢」といった姿勢を維持しています。
トランプ氏はミシガン州での共和党予備選で勝利しました。これで6連勝となり共和党の大統領候補にまた一歩近づきました。これで3月5日の「スーパー・チューズデー」に向け着々と支持率を高めていくことになりますが、残るは訴訟リスクだけということかもしれません。米連邦最高裁は28日、トランプ前大統領が2020年の大統領選の結果を覆そうとして起訴された事件を巡り、大統領在任中の行動に対して刑事責任は問えないとするトランプ氏側の「免責特権適用の訴え」について、審理することを発表しました。審理は4月下旬までに行い、11月の大統領選までには十分な時間があるとされています。
ドル円は今月に入って底堅い動きが続いており、売られる局面がありながらも切り返す展開です。日足ではほぼ一目均衡表の「転換線」がサポートとなり、この線に沿って上昇している形です。ドルが底堅いと見るのか、あるいはドルの上値が重いと見るのか、今夜のPCE価格指数の結果次第では、方向が示されるかもしれません。
本日のドル円は149円80銭~151円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
・今日のアナリストレポート
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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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