香港前場:ハンセン1.3%高で続伸、上海総合は0.2%上昇

サーチナ

中国株

2024/3/11 13:49

 週明け11日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比209.59ポイント(1.28%)高の16562.98ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が81.63ポイント(1.44%)高の5738.35ポイントと続伸した。売買代金は520億3940万香港ドルにやや拡大している(8日の前場は428億7740万香港ドル)。

 業績改善の期待感が相場を支える展開。これまでに公表された主要企業の決算では、増益や黒字転換が目立っている。ただ、上値は限定的。米中対立の警戒感がくすぶっている。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が6.4%高、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)と飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)がそろって5.7%高と上げが目立った。信義光能は8営業日続伸。同社が2月28日に公表した2023年通期決算は10%増益となり、前年度の22%減益から改善した。「関連産業全体で業績底打ちの兆しがある」と同社は説明している。

 セクター別では、太陽光発電関連が高い。上記した信義光能のほか、福莱特玻璃集団(6865/HK)が9.2%、カ姆丹克太陽能系統集団(712/HK)が7.4%、中国水発興業能源集団(750/HK)が2.9%ずつ上昇した。

 非鉄・レアアースの銘柄群もしっかり。非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が9.7%高、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が3.2%高、ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が2.6%高、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が2.3%高で引けた。

 動画配信やオンラインゲームの銘柄群も物色される。ビリビリ(9626/HK)が13.7%高、心動(2400/HK)が11.4%高、中手遊科技集団(302/HK)が4.5%高、網龍網絡HD(777/HK)が3.0%高で前場取引を終えた。

 半面、中国不動産セクターの一角はさえない。雅居楽集団HD(3383/HK)が2.8%、中国海外宏洋集団(81/HK)が2.1%、中国奥園集団(3883/HK)が1.9%、旭輝(884/HK)が1.7%ずつ下落した。中国当局の対応が不安視されている。倪虹・住宅都市農村建設部長は9日の記者会見で、深刻な債務超過に陥り、経営能力を失った不動産企業については「破産すべきものは破産し、債務再編すべきものは再編すべき」と発言した。

 一方、本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.21%高の3052.28ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が高い。医薬株、不動産株、インフラ関連株、証券株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。銀行株、公益株も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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