<新興国eye>前週のブラジル株、雇用改善や24年GDP見通しの上方修正を受け続伸=BRICs市況

新興国

2024/4/1 8:58

 前週(3月25-28日)のブラジル株式市場は28日のボベスパ指数が前日比0.33%高の12万8106.1、週間ベースでは22日終値比0.85%高となり、続伸した。

 週明け25日は指数が下落、翌26日も続落した。27日は反発、28日も続伸した。

 週前半は、週末が「聖金曜日」の祝日で休場となり、取引が1日少なくなることや、3月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)とブラジル中銀議事録などの発表を間近に控え、買いが慎重となり、マイナス圏で引けた。その後は、3月中旬時点のIPCAが前月比0.36%上昇と、市場予想(0.32%上昇)を上回ったことが嫌気され、売りが優勢となった。また、中銀の議事録が公表され、「数人の委員がインフレ見通しの不確実性が高ければ、金融緩和ペースを緩めることが適切」と指摘していたことで、次回5月会合での小幅利下げ観測が強まったことも売り材料となった。

 週後半は、2月の雇用者数が前月比30万6100人増と、前年同月の同25万2500人増を21.2%上回り、雇用環境が改善したことが好感され、買いが優勢となった。その後はブラジル中銀が24年GDP伸び率の見通しを従来予想の1.7%増から1.9%増に上方修正したことや、米国の23年10-12月期GDP伸び率(前期比年率換算)が速報値の3.2%増から3.4%増に上方改定されたことを受け、買いが一段と強まった。

 週末29日は「聖金曜日」の祝日のため、休場。

 今週(1-5日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。

 主な経済指標の発表予定は1日の3月S&Pグルーバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)や2日の2月PPI(生産者物価指数)、3日の3月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)と2月鉱工業生産、3月S&Pグルーバル・ブラジル非製造業PMI、4日の2月経常収支と3月自動車生産・販売台数、3月貿易収支、5日の3月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP-DIインフレ指数(全国卸売物価指数)と2月財政収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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