【為替本日の注目点】ドル円再び上昇。介入を引き出すか

為替

サーチナ

2024/4/2 9:53

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は再び上昇し一時151円77銭まで買われる。経済指標の上振れを受け米金利が上昇したことでドルが買われた。再び市場介の有無を試す展開に。ドルは対ユーロでも買われ、ユーロドルは1.0731まで売られる。株式市場では利下げ観測の後退を嫌気してダウは240ドル安。S&P500も下げたが、ナスダックは小幅高。債券は大きく売られ、長期金利は4.30%台まで上昇。金は5日続伸。原油も小幅高。

3月S&Pグローバル製造業PMI(改定値) → 51.9

3月ISM製造業景況指数 → 50.3

マーケット情報

ドル/円 151.40 ~ 151.77

ユーロ/ドル 1.0731 ~ 1.0786

ユーロ/円 162.79 ~ 163.38

NYダウ -240.52 → 39,566.85ドル

GOLD +18.70 → 2,257.10ドル

WTI +0.54 → 83.71ドル

米10年国債 +0.109 → 4.309%

本日の注目イベント

豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表

独 独3月製造業PMI(改定値)

独 独3月消費者物価指数

欧 ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)

英 英3月製造業PMI(改定値)

米 2月雇用動態調査(JOLTS)求人件数

米 2月耐久財受注

米 2月製造業受注

米 3月自動車販売台数 

米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会で司会

米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演

米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論会に参加

 ドル円は再び上昇しNYでは151円77銭まで買われ、最高値に接近してきました。3月のISM製造業景況指数が市場予想を上回る「50.3」と、1年半ぶりに活動の拡大と縮小の境目である「50」を上回ったことで、FRBによる利下げ開始観測が後退し、株と債券が売られました。債券が売られ、米長期金利が4.3%台まで上昇したことがドルを押し上げた格好です。ドルは対ユーロでもドル高が鮮明で、ユーロドルは約1カ月半ぶりに1.0731まで売られています。ISM製造業調査委員会のフィオレ会長は、「需要は依然として回復の初期段階だが、状況改善の明確な兆候がある。生産は回答企業が再び拡大モードに入ったため、1、2月と比べて急上昇した」と発表文で指摘しています。債券市場では年内の利下げ開始時期を後退させる動きとなり、金利スワップ市場では6月の利下げ開始確率が一時50%を下回る場面もありました。アトランタ連銀のポスティック総裁が「年内の利下げ回数は1回と考えている」と発言したことや、先週パウエル議長がイベントで「利下げは急がない」と発言したことが正当化される状況になっています。今週も多くのFOMCメンバーの発言が予定されていますが、今回の指標結果がメンバーの発言にも影響を与えそうです。

 イランとシリアの国営メディアは、イスラエルが在シリアのイラン大使館を空爆し、軍司令官を含む多数の死者が出たと報じています。報道によると、イスラム革命防衛隊(IRGC)とつながりがあるイランのザヘディ司令官らが殺害され、イラン大使館の建物は破壊された模様です。SP通信も、IRGCはこの攻撃により、ほかに将校1人を含む軍関係者6人が死亡したと伝えています。イランのアブドラヒアン外相は、「イスラエルはこの攻撃がもたらす影響に責任を負うべきだ」と述べており、長年の敵対関係にあるイランとイスラエルとの間でも緊張が高まっています。一方イスラエル当局者は、「外国メディアが伝えた攻撃についてはコメントしない」としています。

 米金利の上昇を受けてドル円は再び上値を試す展開です。ただ、引き続き152円に接近する水準では介入警戒感が強く、攻める方も「恐る恐る」といった状況です。ドル買いにも慎重にならざるを得ないでしょう。「政府日銀の防衛ラインは152円ではないか」といった報道もあり、個人的には152円を大きく越えた水準ではないかと予想していますが、警戒感が強まるのは当然です。ドルが買われるのは、上述のように円だけではなく対ユーロやポンドでも見られ、偏に金利高によるものです。その中でも円の金利が最も低いことから、円はドル以外の主要通貨に対しても売られ、「最弱通貨」になっています。政府は「ファンダメンタルズに沿っていない」と言いますが、この金利差こそが「ファンダメンタルズ」を反映したものではないでしょうか。152円が防衛ラインであるのかどうか、判明する日も遠くない気がします。

 本日のドル円は151円~152円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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