<新興国eye>前週のロシア株、中東情勢悪化による原油急騰や企業の配当金期待に続伸=BRICs市況

新興国

2024/4/8 8:57

 前週(1-5日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の5日終値は前日比0.67%安の1155.91、前週比では3月29日終値比1.70%高と、続伸した。

 週明け1日は指数が上昇、4日まで5営業日続伸した。

 週前半は、ブレント原油先物が日中安値から1バレル当たり87.5ドルに回復したことが好感され、買いが優勢となった。原油高はOPEC(石油輸出国機構)プラスの減産観測や中国の堅調な経済指標が背景。個別銘柄では航空大手アエロフロートや石油大手スルグトネフチガス、複合企業大手AFKシステマが配当期待で急騰、上げをけん引。

 その後は、原油価格が89ドルに上昇、買いが一段と強まった。ただ、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から一部のセクターで利食い売りが強まったことや、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が講演で利下げを急がない考えを示唆したため、上値が重くなった。

 週後半は、海外株高や、原油価格が89.5ドルを超えたことが好感され、買い安心感が広がった。また、ミハイル・ウラジーミロヴィチ・ミシュスチン首相が配当金を通じて銀行の利益を株主に還元させる方針を示したことも支援材料となった。その後は、海外株高を受け、相場の上昇勢いが続いたが、原油高一服や利食い売りで上値が抑えられた。高値が続いていたアエロフロートと資源大手ポリメタルが売りを浴びた。

 週末5日は反落。FRB傘下のミネアポリス地区連銀のニール・カシュカリ総裁などFRB幹部が講演で金融引き締めスタンスの長期化の可能性を相次いで指摘したことを受け、海外株安となり、ロシア市場でも利食い売りが広がった。ただ、中東情勢の悪化で原油価格が91ドルを超えたため、下値は限られた。

 今週(8-12日)のロシア市場は引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える10日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や11日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は10日の3月CPI(消費者物価指数)や11日の2月貿易収支など。指数は1130-1200のレンジの動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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