米9月中古住宅販売、前月比2.2%減の年率538万戸―市場予想下回る
2019/10/23 9:28
<チェックポイント>
●販売件数、3カ月ぶり減少―手ごろな価格の住宅供給が減少
●販売価格(中央値)は27万2100ドル―前月比3カ月連続低下
●未販売住宅(在庫)は4.1カ月分―依然供給不足
NAR(全米不動産業協会)が22日発表した9月中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比2.2%減の年率換算538万戸と、前月(8月)の同1.5%増から3カ月ぶりに減少に転じた。また、市場予想の552万戸も下回った。前月の販売件数は前回発表時の548万戸から550万戸に上方改定されている。住宅ローン金利の一段の低下や堅調な所得の伸びに支えられ、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が改善しているものの、手ごろな価格の住宅供給が少なくなっていることに加え、8月の販売件数が年初来で最高水準だった反動もある。
季節要因を無視できる前年比は3.9%増と、3カ月連続で前年水準を上回った。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「住宅購入希望者は最近の住宅ローン金利の低下にもかかわらず、住宅販売はそれ相応の増加とはなっていない。これは住宅の選択肢が狭まったことを反映している」と、手ごろな価格の住宅が少なくなっていることが販売減少の主な要因と指摘している。
住宅供給の過不足感を示す9月時点の未販売住宅(在庫)は前月比横ばいの183万戸だった。同月の販売ペースに換算した在庫水準は4.1カ月分と、前月の4カ月分をやや上回ったが、1年前の4.4カ月分を下回り、前年比も2.7%減(戸数ベース)となっている。適正水準とされる6カ月分を大きく下回っており、住宅供給不足の状況は変わらず住宅販売の足かせとなっている。
中古住宅の販売ペースをみると、販売物件が9月に市場に残っていた期間は32日間と、1年前とは一致したが、8月の31日間を上回り、販売ペースが鈍化した。9月に販売された物件だけでみても、市場に残っていた期間が1カ月以内だったのは全体の49%で、8月の59%を大幅に下回った。
9月の地域別販売件数をみると、全米4地区のすべてが前月比で減少した。全体の4割以上を占め最もウエートが大きい南部が前月比2.1%減(前年比6%増)の228万戸となったのをはじめ、中西部は同3.1%減(同横ばい)の127万戸、北東部は同2.8%減(同1.5%増)の69万戸、西部は同0.9%減(同5.6%増)の114万戸となった。
一方、中古住宅価格は中央値で前月比2.4%低下の27万2100ドルと、3カ月連続で低下したが、前年比は5.9%上昇と、実質賃金上昇率(0.5%)や名目賃金上昇率(2.9%)を大幅に上回る高い伸びで、91カ月連続で前年水準を上回っている。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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