インバウンド株に売り先行、新型コロナウイルス拡散防止へ中国が海外旅行に規制、資生堂やコーセー急落

株式

2020/1/27 9:31

 資生堂<4911.T>やコーセー<4922.T>、ファンケル<4921.T>のほか、日本空港ビルデング<9706.T>、オリエンタルランド(OLC)<4661.T>などインバウンド(訪日外国人観光客)関連株に売りが広がっている。新型コロナウイルスによる肺炎患者の増加を受け、中国政府はきょう27日から、すべての海外団体旅行を禁止した。

 新型肺炎による死者数は26日時点で56人まで増え、中国本土のほかにも日本を含む14の国と地域に感染が広がっている。ウイルスの拡散に歯止めを掛けたい中国政府は、海外への団体旅行やパック旅行を取りやめるよう旅行会社に命じたという。

 日本の観光地にはホテルのキャンセルなどの影響が及び、株式市場でも関連銘柄の売り圧力につながった。日本は中国人にとって最も人気のある旅行先。訪日客数は昨年が959万人に上った。春節期間だけでも40万人程度の訪日が見込まれていただけに、観光業界にとって大きな痛手となることは必至だ。

 インバウンド需要への依存度が大きい主要化粧品株が軒並み売られているほか、百貨店のJ.フロント リテイリング<3086.T>、松屋<8237.T>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242.T>も安い。OLCは19年4-12月期の営業利益が前年同期比で6%落ち込んだとする観測報道も重荷となっているもよう。旅行関連のエイチ・アイ・エス<9603.T>やオープンドア<3926.T>、エアトリ<6191.T>も大幅安。JAL<9201.T>やANAホールディングス<9202.T>にも警戒売りが及んで昨年来安値を更新した。

提供:モーニングスター社

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