新型肺炎、検査キット開発急務、栄研化やDNA研に連想買い、東洋紡なども浮上

株式

2020/2/4 10:36

 中国を中心に感染が拡大する新型コロナウイルスの対策として、簡易検査キットの開発が急務となっている。日本も既に着手したことを安倍首相が明らかにし、有力関連銘柄として栄研化学<4549.T>やDNAチップ研究所<2397.T>に買いが向かっている。

 簡易検査キットは遺伝子の配列などから素早くウイルスへの感染の有無を測定する。この日2438円(前日比8.4%高)と昨年4月以来の水準を回復した栄研化は、「ランプ法」と呼ばれる独自技術を使ったキットをSARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルスなどの流行時にも提供してきた実績がある。

 汎用性の高い「PCR法」に絡んでは、検体の遺伝子の増幅をリアルタイムでモニタリングする検査でタカラバイオ<4974.T>が知られるほか、818円(8.1%高)まで買われたDNA研も受託サービスを手掛けている。

 簡易検査キットは効率的に患者を特定できるため、ウイルスの感染拡大防止に大きく寄与する。横浜港では、新型コロナウイルスに感染した男性の乗ったクルーズ船で、大規模な検疫が実施されている。全乗客と乗組員計3500人の健康状態を調べるのに長い時間を要しており、今後も同様のケースに備えて簡易検査キットの必要性が意識される。

 このほか、研究用試薬の医学生物学研究所<4557.T>やカイノス<4556.T>もこのところ値動きが激しい。東洋紡<3101.T>は、検査試薬やノロウイルスの検出キットなどを手掛けている。

提供:モーニングスター社

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