<新興国eye>ロシア中銀、0.25ポイント追加利下げを決定―市場予想通り

新興国

2020/2/10 11:01

 ロシア中央銀行は7日の理事会で、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札預金金利をいずれも0.25ポイント引き下げ6.00%とすることを決めた。市場予想通りだった。

 中銀は17年9月に4カ月ぶりに利下げを再開し、18年3月まで5会合連続で利下げしたが、下げ幅が計1.75%ポイントに達したことや、地政学的リスクで通貨ルーブル安が進行したことから、同4月に据え置きに転じた。その後、インフレ上ブレリスクが高まったとして同9月から利上げに転換。19年2月には過去2回(18年9、12月)の利上げ効果を見るとして現状維持を決め、同4月まで3会合連続で据え置いた。しかし、今後もインフレ抑制が続くとして景気刺激に転換するため、同6月に18年3月以来1年3カ月ぶりの利下げに踏み切った。その後も追加利下げを実施し、これで6会合連続の利下げとなる。

 中銀は前回会合時とほぼ同様に、「インフレの減速が予想以上に進んでおり、家計や企業のインフレ期待も落ち着いている」、「短期的には、インフレが上ブレるよりも下ブレるリスクの方が大きい」とし、ディスインフレ(物価上昇率の鈍化)傾向が続く見通しを示した。その一方で、景気の現状と先行きの見通しについては、「ロシア経済は19年下期(7-12月)に成長率が加速したが、世界経済が大幅に減速するリスクが続いている」とし、利下げ継続による景気刺激の必要性を強調した。

 インフレ見通しについては、「金融政策のスタンスを考慮すれば、インフレ率は20年には3.5-4%上昇となり、以降は4%上昇の物価目標に向かって収束する」との楽観的な見方を据え置いた。この日発表した最新の経済予測では21年末と22年末の時点でのインフレ率をいずれも4%上昇と予想している。ちなみに19年末時点のインフレ率は3%上昇だった。

 景気見通しについては、20年のGDP(国内総生産)伸び率を1.5-2.0%増、21年は1.5-2.5%増、22年は2.0-3.0%増と、いずれも前回予想を据え置き、景気が徐々に回復する見通しとしている。ちなみに、19年は1.3%増となり、前回予想の0.8-1.3%増の上限と一致した。

 今後の金融政策の見通しについては、「政策金利を決定する場合、経済予測期間のインフレ率と期待インフレ率が物価目標に対してどう進むか、また、経済成長がどうなるか、さらには、外部環境の変化による経済見通しに対する(上ブレ・下ブレ)リスク、金融市場の動向を考慮する」としたが、「もし、経済状況が中期経済予測の標準シナリオ通りに進めば、われわれは次回以降の会合で、さらなる利下げを決めるかどうかについては(予断を持たず)オープンだ」との文言を据え置き、早ければ次回の3月会合で7回目の利下げを行う可能性に含みを残した。

 次回の金融政策決定会合は3月20日に開かれる予定。

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