日経平均は168円高と3日ぶり反発、急落後に上げ転換、米株先物高や経済対策期待など支え=10日後場

 10日後場の日経平均株価は前日比168円36銭高の1万9867円12銭と3営業日ぶりに反発。朝方は、新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感が続くなか、9日のNYダウが過去最大の下げ幅となったことを受け、一時1万8891円77銭(前日比806円99銭安)まで下落する場面があった。一巡後は、持ち直した。トランプ米大統領は9日、政権が給与税減税の可能性について上院と10日に協議することを明らかにしたと伝えられ、時間外取引で米株価指数先物が上昇。時間外のNY原油先物高や、円高一服も支えとなった。後場入り後には、経済対策への期待感とともに日銀のETF(上場投資信託)買い観測もあって、上げに転じ、終盤には1万9970円35銭(同271円59銭高)まで切り返した。

 東証1部の出来高は25億7037万株、売買代金は3兆8120億円。騰落銘柄数は値上がり1645銘柄、値下がり477銘柄、変わらず42銘柄。

 市場からは「下ヒゲの長い陽線を付け、これだけを見るといったん底入れの格好となる。大きく値下がりしただけに戻るとは思うが、新型コロナウイルスの感染拡大という元凶は何ら解消していない。メジャーSQ(特別清算指数)の算出を控え、思惑的な売買に上下動があるかもしれない」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、野村<8604.T>、大和証G<8601.T>などの証券商品先物株が堅調。菱地所<8802.T>、住友不<8830.T>などの不動産株や、近鉄エクス<9375.T>、三井倉HD<9302.T>などの倉庫運輸関連株も高い。日本製鉄<5401.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株や、エムスリー<2413.T>、OLC<4661.T>などのサービス株も値を上げた。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>などの銀行株や、JR東海<9022.T>、日通<9062.T>などの陸運株も買われた。

 半面、鉱業株では国際帝石<1605.T>が下落。郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株や、JXTG<5020.T>などの石油石炭製品株も軟調。

 個別では、ジーンズメイト<7448.T>、オルトプラス<3672.T>、CRE<3458.T>、カーブスHD<7085.T>がストップ高となり、パンチ<6165.T>、ザッパラス<3770.T>などの上げも目立った。半面、エアーテック<6291.T>(前場に一時ストップ安)、黒谷<3168.T>、中広<2139.T>、ライドオンH<6082.T>、シンシア<7782.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、30業種が上昇した。

(イメージ写真提供:123RF)

提供:モーニングスター社

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