【上海IPO】分散染料メーカーの浙江万豊化工が公募開始、3338万株発行予定

サーチナ

中国株

2023/4/26 9:24

 上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す、浙江万豊化工(603172/上海)が4月26日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。3338万株を発行予定で、公募価格は14.58元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2003年設立の民営企業で、09年に株式会社化した。中〜高級分散染料および染料ケーキの研究開発、生産、販売を主業務としている。製品は主にポリエステルやその混紡織物の染色、プリントに用いられており、鮮やかな色合いと洗浄などによる色落ちが少ない特性を持つ。安踏、李寧、アディダス、ナイキ、ユニクロ、デカトロンなど国内外の著名スポーツ・カジュアルウェアブランドの製品に同社の染料が使われている。

 中国染料工業協会の統計によると、同社の19〜21年における中国国内分散染料業界ランキングでいずれも10位以内に入っている。20件以上の染料に関する特許を持ち、染料の純度と生産量の向上に寄与する触媒体系を自主開発するなどの技術力を持つこと、顧客の集中する江蘇、浙江、福建、広東の各省を中心にきめ細やかなサービス体制を整えていること、環境への配慮が特に必要な化学染料業界においてクリーンな生産体制を確立していること、製品の品質の高さなどを強みとする一方で、分散染料の生産能力が年間1万トンと大手企業に比べるとかなり小さいことがボトルネックとなっている。多様化する顧客のニーズに応えつつ業務規模を拡大するためには生産体制の増強が不可欠であり、新規上場で調達した資金で強化を図りたい。

 22年12月期の売上高は5億4517万元(前期比3.28%減)、純利益は6840万元(同10.18%減)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億3327万〜1億4124万元(前年同期比0.66〜6.70%増)、会社株主に帰属する純利益は1554万〜1668万元(同1.85〜9.28%増)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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