米ドル週間場況=パウエルFRB議長の議会証言を注視
ドル高・円安 141.82円(+2.42円)
12-16日のドル・円は上昇した。週初12日は、週内に米5月CPI(消費者物価指数)の発表とFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催を控え、様子見ムード。13日、米5月CPIの伸びが市場予想を下回り、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ見送り観測が広がり上値を抑えた。14日、米5月PPI(生産者物価指数)が弱くドル売り先行。同日まで開催のFOMCでは市場予想通り政策金利が据え置かれたが、参加者の政策金利見通しから年内あと2回の追加利上げの可能性が示唆され、大きく切り返した。15日、週次の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、ドル売りに傾いた。週末16日、日銀金融政策決定会合で大規模金融緩和策の現状維持を決定し、円売り・ドル買いが強まった。
債券市場では、短期債利回り、長期債利回りともに上昇した。米債券はもみ合いで推移。FOMC通過後にFRB高官から追加利上げに前向きな発言が聞かれたことなどから、米金利は上昇した。ドル建て2年債利回りは前週末の4.60%から4.71%に上昇、ドル建て10年債利回りは前週末の3.74%から3.76%に上昇して越週した。
19-23日のドル・円は、パウエルFRB議長の議会証言が焦点。FOMC後の会見で、パウエルFRB議長はほぼすべての参加者がインフレ抑制に向けた年内利上げの必要性を認識しているとしつつも、次回7月FOMCでの利上げについては状況次第とした。パウエルFRB議長の議会証言をはじめ、複数のFRB高官の講演内容からFRBの金融政策スタンスを探り、日米金融政策の温度差を見極める相場展開となりそうだ。経済指標では米5月住宅着工件数、米1-3月期経常収支、米5月中古住宅販売件数などが発表予定。
提供:ウエルスアドバイザー社
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