<新興国eye>前週のブラジル株、レアル高や早期利下げ観測、景気回復期待に9週続伸=BRICs市況

新興国

2023/6/26 9:14

 前週(19-23日)のブラジル株式市場は23日のボベスパ指数が前日比0.04%高の11万8977.1、週間ベースでは16日終値比0.18%高と、9週続伸した。

 週明け19日は指数が上昇。翌20日は反落した。21日は反発、22日は反落した。

 週前半は、中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年実質GDP伸び率の見通しは前週予想の1.84%増から2.14%増に引き上げられ、また、23年のインフレ見通しが前週予想の5.42%上昇から5.12%上昇に引き下げられたことが好感され、買いが優勢となった。通貨レアル高も支援材料となった。その後は、海外株安を受け、ブラジル市場でも売りが強まった。レアル安も嫌気された。ただ、中銀の金融政策決定会合が始まり、据え置き予想が大半だが、次回8月会合で利下げに転換するとの見方が強まったため、下げは限定的となった。

 週後半は、中銀が予想通り、政策金利を据え置いたことや、8月会合で利下げ転換するとの思惑で買いが優勢となった。中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」でも23年末時点の政策金利見通しは前週予想の12.50%から12.25%に引き下げられている。その後は、レアル安の進行に加え、中銀が会合後の声明文で、利下げ転換に慎重な姿勢を示したことで失望感が高まったこと、さらにはFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が議会証言であと2回の追加利上げを示唆し、海外株安となったことが嫌気され、売りが優勢となった。

 週末23日は小反発。引き続き、ブラジル中銀の利下げ転換に慎重な姿勢が嫌気され、また、国営石油大手ペトロブラスが原油価格の下落を受け、軟調となる中でかろうじてプラス圏で引けた。

 今週(26-30日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策も注目される。主な経済指標の発表予定は26日の6月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)消費者信頼感指数と5月経常収支、27日の6月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、29日の6月IGP-MIインフレ指数と5月PPI(生産者物価指数)、30日の5月財政収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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