<新興国eye>前週の上海総合指数、景気回復の遅れ懸念や元安進行を受け4週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/6/26 9:14

 前週(19-21日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで4週ぶりに反落。21日は3197.9(16日終値比2.3%安)だった。

 週明け19日は指数が反落。21日まで3日続落した。22日は「端午節」の祝日で休場。

 週前半は、景気先行き懸念が強まり、売りが優勢となった。市場では5月の経済指標が弱い内容となったため、中国の23年GDP伸び率を下方修正している。また、中国国務院(内閣に相当)の常務会議で具体的な景気テコ入れ策が示されなかったことも売り材料となった。その後は、通貨人民元の下落進行が嫌気され、売りが一段と強まった。元安を受け、中国人民銀行(中銀)は人民元レートの対米ドル基準値を元安方向に設定した。また、人民銀は5年物ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)を4.30%から4.20%に引き下げたが、市場予想の4.15%には届かず、失望感が高まる結果となった。

 週後半は、人民銀の金利引き下げが市場予想を下回り、景気押し上げには不十分として、景気回復には時間がかかるとの懸念で売りが強まった。また、元安が一段と進み、中国市場からの資本流出懸念が高まったことや、バイデン米大統領が選挙資金集めの集会で、習国家主席を独裁者と指摘したことも米中関係の悪化懸念を強め、売り材料となった。

 週末23日も「端午節」の祝日で休場。

 今週(26-30日)の株式市場は台湾情勢やハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は30日の6月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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