<新興国eye>前週のブラジル株、利食い売りや原油安・レアル安を受け10週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/7/3 8:58

 前週(6月26-30日)のブラジル株式市場は30日のボベスパ指数が前日比0.25%安の11万8087、週間ベースでは23日終値比0.75%安と、10週ぶりに反落した。

 週明け26日は指数が下落。28日まで4営業日続落した。29日は反発。

 週前半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、米株安となったことも嫌気された。ただ、原油高を受け、石油大手ペトロブラスが上昇したため、下値は限られた。その後は、引き続き、利益確定売りが強まった。また、原油価格の下落でペトロブラスが下落に転じ、下げを主導した。

 週後半は、通貨レアル安の進行や米追加利上げ観測で外貨流出懸念が強まり、売りが強まった。個別銘柄では鉱山大手ヴァーレや金融株が売られ、下げをけん引。ただ、ブラジル中銀の議事録が公表され、次回8月会合で利下げサイクルが開始される可能性が示されたため、下げは限定的となった。

 その後は、これまでの相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化。また、引き続き、利下げ開始への期待感が強まったことも支援材料となった。ブラジル中銀の国家通貨審議会(CMN)で、物価目標の設定をこれまでの1年ごとの見直しではなく、18-24カ月など長期化することが決まったことを受け、24年まで3%上昇の物価目標は変更されず、利下げ余地が広がったことが背景。

 週末30日は反落。ペトロブラスが急落、下げをけん引。ガソリン価格の引き下げが嫌気されたことが背景。ただ、3-5月期失業率が8.6%に低下したことや、CMNの物価目標の設定期間の長期化決定が引き続き好感され、下値は重くなった。

 今週(3-7日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策も注目される。主な経済指標の発表予定は3日の6月S&Pグルーバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)と6月貿易収支、4日の6月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所(FIPE-USP)の消費者物価指数)と5月鉱工業生産、5日の6月S&Pグルーバル・ブラジル非製造業PMI、7日の6月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP-DIインフレ指数(全国卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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