<新興国eye>前週のインド株、海外株高や外国人投資家の買い越しを受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/7/10 9:06

 前週(3-7日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の7日終値は前日比0.77%安の6万5280.45、週間ベースでは6月30日終値比0.87%高と、続伸した。

 週明け3日は指数が上昇、4日まで5営業日続伸。5日は反落した。6日は反発。

 週前半は、海外株高を好感、金融株を中心に買いが優勢となった。また、外国人投資家が4営業日連続の買い越しとなったことも買い材料。6月の売り上げが好調となった自動車大手アイシャー・モーターズと同業大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラ、さらに複合企業大手リライアンス・インダストリーズや住宅金融大手ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)とHDFC銀行も買われ、上げをけん引した。その後は、6月の物品サービス税(GST)の税収増やモンスーン期(6-9月)の降雨量不足の緩和を好感、買いが一段と強まった。海外から投資資金の流入が続いていることも買い安心感を与えた。個別銘柄では金融大手バジャジ・フィンサーブや、自動二輪大手ヒーロー・モトコープが米ハーレーダビッドソンと共同開発の新型バイクを発表したこと受けて急伸、上げをけん引した。

 週後半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。なかでも指数ウエートが高いHDFCとHDFC銀行が下落、下げをけん引。その後は、外国人投資家が買い越しとなったことや、政府の景気対策期待が強まり、買いが優勢となった。リライアンス・インダストリーズが急伸、上げを主導した。傘下の通信事業大手ジオ・インフォコムが次世代5Gネットワーク機器の購入で、フィンランド携帯電話機器大手ノキアと17億ドル規模の契約を結ぶとの観測報道が背景。

 週末7日は反落。高値警戒感から利食い売りが強まった。また、FRB(米連邦準備制度理事会)が公表したFOMC議事録や米6月雇用統計の結果を受け、次回7月会合での追加利上げ観測が強まったため、売りが広がった。送電大手パワー・グリッドや金融大手のインダスインド銀行、消費財大手ヒンドゥスタン・ユニリーバ(HUL)、電力大手NTPC、インド最大のたばこメーカーITC、ソフトウエア輸出大手インフォシスなどが売られ、相場を押し下げた。

 今週(10-14日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は12日の5月鉱工業生産と6月CPI(消費者物価指数)、14日の6月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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