(再送)<新興国eye>前週のブラジル株、税制改革法案の下院通過や景気回復期待を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/7/10 9:11

 前週(3-7日)のブラジル株式市場は7日のボベスパ指数が前日比1.25%高の11万8898、週間ベースでは6月30日終値比0.69%高と、反発した。

 週明け3日は指数が急反発した。翌4日は反落。5日は反発した。6日は急反落。

 週前半は、海外株高や、国内では中期的に経済成長にプラスとなる税制改革法の下院通過期待、中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年実質GDP伸び率の見通しが前週予想の2.18%増から2.19%増に引き上げられたことも好感され、買いが優勢となった。個別銘柄では鉱山大手ヴァーレが鉄鉱石相場の上昇を受け、急伸、上げを主導。その後は、売りが優勢となった。通貨レアル安が進行、投資資金の流出懸念が強まったことや、6月S&Pグローバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)が前月の47.1から46.6に低下したことも嫌気された。

 週後半は、5月鉱工業生産が前月の前年比2.7%減から1.9%増と、市場予想(同1.3%上昇)を上回ったことや、6月の輸出も市場予想を上回る高い伸びとなったことが好感され、買い戻しが強まった。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC議事録が公表され、追加利上げ観測が強まったことや、レアル安が進行したため、上値が重くなった。その後は、売りが強まった。欧米市場の下落や米追加利上げ懸念、さらにはレアル安の進行が嫌気された。

 週末7日は急反発。現在、国や地方自治体ごとに異なる5つのVAT(付加価値税)を全国一律にする税制改革法案が賛成多数で下院を通過したことを受け、景気回復期待が強まり、買いが優勢となった。また、注目された米6月雇用統計で新規雇用者数が予想を下回ったことを受け、FRBの利上げ休止期待が強まったことも支援材料となった。

 今週(10-14日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策も注目される。主な経済指標の発表予定は11日の6月IPCA(拡大消費者物価指数)や12日の5月サービス業成長率、14日の5月小売売上高など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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