<新興国eye>前週のインド株、米利上げ懸念や主要企業の弱い決算を受け5週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/7/31 9:05

 前週(24-28日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の28日終値は前日比0.16%安の6万6160.19、週間ベースでは21日終値比0.79%安と、5週ぶりに反落した。

 週明け24日は指数が下落、翌25日まで3営業日続落した。26日は反発、27日は反落した。

 週前半は、たばこ最大手ITCや複合企業大手リライアンス・インダストリーズ、ITの一角が崩れ、下げを主導した。ITCはホテル部門の分社化を決めたことが嫌気された。また、リライアンスは四半期決算で業績が予想を下回ったことが背景。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合が間近に迫り、積極的な買いが手控えられる中、引き続き、ITCがホテル事業分離が嫌気され、下げをけん引した。

 週後半は、自動車大手タタ・モーターズの四半期決算で利益が市場予想を上回ったことが好感され、急騰。また、エンジニアリング大手ラーセン・アンド・トゥブロも好決算で買われた。リライアンスも傘下の小売企業に中東カタールの国家投資ファンドであるカタール・インベストメント・オーソリティ(QIA)が出資を検討しているとの一部報道を受け、急伸、上げをけん引した。その後は、FRBが予想通り、0.25ポイントの追加利上げを決めたあと、パウエルFRB議長が会見で、米経済のリセッション(景気失速)はもはやないと発言したことが好感され、買いが先行したものの、自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラがRBL銀行の少数株式を取得したことが嫌気され、6%超急落、また、ITサービス大手テック・マヒンドラも弱い四半期決算の結果を受け、急落、下げをけん引した。

 週末28日は続落。米国の4-6月期GDPや週間新規失業保険給付申請件数が強い内容となったことを受け、米追加利上げ懸念が再燃したことや、先物・オプション取引のSQ(特別清算指数)算出で売りが優勢となった。タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)やインフォシスなど一部のIT銘柄やバジャジ・フィンサーブ、ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)などの金融株が売られ、下げをけん引した。

 今週(7月31日-8月4日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は31日の6月財政収支や1日の7月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)、3日の7月日経インド非製造業PMIなど。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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