<新興国eye>前週のインド株、フィッチの米国債格下げや弱い企業決算を受け2週続落=BRICs市況

新興国

2023/8/7 8:56

 前週(7月31日-8月4日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の4日終値は前日比0.74%高の6万5721.25、週間ベースでは7月28日終値比0.66%安と、2週続落した。

 週明け31日は指数が上昇。8月相場入りした翌1日は小反落、3日まで3日続落した。

 週前半は、海外株高となり、インド市場でも買いが優勢となった。また、中国の内需主導の景気支援策への期待感も支援材料。好決算を発表した電力大手NTPCを始め、鉄鋼大手タタ・スチールやIT大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)も買われ、上げを主導した。その後は、主要企業の決算発表ニュースで売り買いが交錯。国営送電大手パワー・グリッドは大幅減益となったことが嫌気され、急落、下げをけん引した。他方、国営石炭最大手コール・インディアやITサービス大手テック・マヒンドラなどが買われた。

 週後半は、欧米や中国の弱い経済指標が嫌気され、海外株安となる中で、インド市場でも幅広い銘柄に売りが広がった。また、米英大手信用格付け会社フィッチ・レーティングスが米国のソブリン債格付けを財政状態の悪化を理由に、「AAプラス」に引き下げたことも売り材料となった。その後は、引き続き、フィッチによる米国債格下げに対する警戒感が強まり、売りが広がった。非鉄金属・鉱業最大手ベダンタ・リソーシズが筆頭株主のツイン・スター・ホールディングスの持ち株(4.3%)売却の報道を受け、売られ、下げをけん引。

 週末4日は反発。フィッチによる米国債格下げによる急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化。製薬大手シプラが急騰、医薬品セクターの上昇をけん引したほか、中国の景気支援策期待で金属セクターも買われ、相場を押し上げた。中国人民銀行(中銀)総裁が民間経済により多くの金融資源を誘導すると発言したことが背景。

 今週(7-11日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合(10日)も注目される。主な経済指標の発表予定は11日の6月鉱工業生産と7月CPI(消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ