米7月コアCPI、前月比0.2%上昇―市場予想と一致、前年比は4.7%上昇

経済

2023/8/14 8:12

<チェックポイント>

●コアCPIの前年比は1年9カ月ぶり低い伸び

●全体指数も前月比は0.2%上昇―前年比は3.2%上昇に加速も市場予想下回る

●市場は9月FOMC会合での金利据え置きを見込む

 米労働省が10日に発表した7月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.2%上昇と、前月の伸びと変わらず、市場予想の平均値とも一致した。また、前年比は4.7%上昇と、前月の4.8%上昇から鈍化したが、市場予想と一致した。

 エネルギーと食品を含めた全体指数は、前月比0.2%上昇と前月の伸びや市場予想と一致。一方、前年比は3.2%上昇と前月の3.0%上昇から伸びが加速したが、市場予想の3.3%上昇を下回った。

 カテゴリー別の前月比では、航空運賃の低下が続き、新車や中古車も低下。一方、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は0.4%上昇となった。

 エネルギー全体も、前月比では0.1%上昇と、前月の0.6%上昇から伸びが鈍化。ガソリン価格の伸びが前月から大きく減速したほか、電気料金が低下に転じた。他方、食品は0.2%上昇と、6月の0.1%上昇から加速した。外食価格の伸びが鈍化した一方、自宅調理用の食品は伸びが加速した。

 前年比では、航空運賃が引き続き大きく低下するなか、新車や中古車、シェルター価格の伸びが鈍化。食品も伸びが鈍化したが、エネルギー価格は低下幅が小さくなった。ガソリン価格や都市ガスの下落がやや落ち着きついた。

 7月のCPIを受け、市場はインフレ率が減速傾向を示していると受け止め、利上げ継続圧力がある程度緩和したとみている。インフレ率は依然として物価目標の2%上昇を上回っているが、過去3カ月(5-7月)のコア指数の年率が3.1%上昇と、インフレが急加速する直前の21年3月の1.6%上昇以来の低水準となっており、次回9月20日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では政策金利が据え置かれるとの見方が強まった。

提供:ウエルスアドバイザー社

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