<新興国eye>トルコ8月経済信頼感指数、サービス・小売り・建設いずれも悪化―8月設備稼働率も低下

新興国

2023/8/31 8:49

 トルコ統計局が先週末(25日)発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す8月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比1.7%低下の115.3と、前月(6月)の同0.6%低下に続き、2カ月連続で低下(悪化)、22年4月(114.6)以来の低水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比1.2%低下(前月は0.4%上昇)の115.4と、4カ月ぶりに悪化(低下)した。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同2.7%低下(同0.4%低下)の113.8と、3カ月連続で悪化。今後3カ月間の需要見通し(先行指数)も同1.2%低下(同1.7%低下)の116.8と、2カ月連続で悪化した。

 小売業も同0.4%低下(同2.6%低下)の114.3と、2カ月連続で悪化、22年8月(112.9)以来の低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同3.3%低下(同1.3%上昇)の124.5と、悪化したが、今後3カ月間の販売見通しは同2.6%上昇(同6%低下)の123.2と、改善した。商品在庫は同0.1%低下(同3.2%低下)の95.2となり、在庫過剰感が強まった。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業も同0.7%低下(同0.9%低下)の87.4と、3カ月連続で悪化、22年8月(86.3)以来の低水準となった。サブ指数の受注残は同0.2%低下(同0.6%上昇)の83.5と、悪化。今後3カ月間の雇用見通しも同1.3%低下(同2.3%低下)の91.4と、3カ月連続で悪化した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した8月の製造業設備稼働率(季節調整前)は76.1%と、前月(7月)の77.1%から1ポイント低下。コロナ禍前の20年1月の75.5%を下回った。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは中間財の75.9%(前月は76.1%)だったが、前月を下回った。投資財は73.5%(前月は79.6%)、耐久財も73.5%(同74.6%)、消費財は73.0%(同73.4%)、非耐久財は72.9%(同73.2%)と、いずれも前月を下回った。

 季節調整後の製造業設備稼働率も8月は75.7%と、前月(76.9%)を下回った。

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 上場MSエマ<1681.T>

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