<新興国eye>前週のインド株、米金利高止まり懸念やカナダとの関係悪化を受け反落=BRICs市況

新興国

2023/9/25 8:54

 前週(18-22日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の22日終値は前日比0.33%安の6万6009.15、週間ベースでは15日終値比2.70%安と、4週ぶりに反落した。

 週明け18日は指数が下落、翌19日は「ガネーシャ祭」の祝日で休場だった。取引が再開された20日も続落、21日まで3営業日続落した。

 週前半は、前週までの相場上昇(11営業日続伸)を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を控え、積極的な買いが抑えられた。指数の構成ウエートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズやHDFC銀行などが売られ、下げを主導。

 週後半は、休場明け後、取引が再開されたが、HDFC銀行が急落、下げをけん引した。同行が住宅金融大手ハウジング・デベロップメント・ファイナンス(HDFC)との合併で、不良債権比率など財務指標に悪影響が出るとの見通しが背景。その後は、FRBが金利を据え置いたものの、金利高止まりの長期化観測が嫌気され、売りが一段と強まった。なかでも国営銀行やIT株が軒並み下げ、相場を押し下げた。また、F&O(先物・オプション)取引のSQ(特別清算指数)算出や、インドとカナダの関係悪化により、カナダからの投資家資金が減少するとの懸念で売りが強まった。

 週末22日は4営業日続落。引き続き、IT株が売られ、下げをけん引した。ただ、金融大手のバジャジ・フィンサーブやインダスインド銀行など金融株が買われたことや、米金融大手JPモルガン・チェースがベンチマークの新興国市場指数にインド国債を追加する計画を受け、海外からの資金流入が促進される見通しも支援材料となった。

 今週(25-29日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は29日の8月財政収支と8月インフラ部門生産高など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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