米8月新築住宅販売件数、前月比8.7%減の67.5万件―金利高で買い控え、市場予想下回る

経済

2023/9/27 10:06

<チェックポイント>

●住宅ローン金利の高止まりで住宅購入需要が減退

●住宅価格は前月比1.4%低下―前年比2.3%低下も依然高水準

●過去3カ月の販売件数は計3.1万件―7月だけで2.5万件の上方改定

 米商務省が26日に発表した8月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比8.7%減の年率換算67万5000件と、前月(7月)の同8.0%増(改定前は4.4%増)から減少に転じた。市場予想の平均値である69万.7件も下回り、3月(64万件)以来の低水準となった。

 市場は、住宅ローン金利や住宅価格の高止まりにより、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が低下、需要が減退したためと見ている。これまでは住宅ローン金利の急上昇を受け、中古住宅の所有者が市場に売り出すのを躊躇、その結果、新築住宅に需要がシフトしていたが、そうした恩恵も陰りを見せ始めた。市場では今後、新築住宅の販売は低迷が続くと予想している。

 住宅ローン金利はフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)の30年固定金利の平均約定金利でみると、直近の9月21日時点では7.19%と、1年前の6.29%を上回り、依然高水準。

 住宅価格の中央値(季節調整前)は、前月比1.44%低下の43万300ドルとなったが、コロナ禍前の19年6月の水準(31万1800ドル)を大きく上回り、依然、高水準。販売価格帯を見ると、40万ドル以上の高額物件の販売比率が60%と、7月の62%を下回った一方で、40万ドル未満の手ごろ物件比率は40%と、前月の38%や1年前の39%を上回った。

 住宅供給(在庫)は、新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)が前月比1.2%増の43万6000件と、3カ月連続で増加した。8月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は7.8カ月相当と、住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れた容認可能な水準とする6カ月相当を依然、上回っている。

 ただし、住宅在庫のうち、すぐに販売できる完成戸数は前月比4.1%増の7万6000件となったものの、在庫全体の17.4%と、まだ少ない。未着工件数も全体の24.3%(10万6000件)、建築中件数は全体の58.3%(25万4000件)となっている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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