<新興国eye>前週のインド株、原油安や海外株高、中銀の金利据え置きに3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2023/10/10 8:58

 前週(3-6日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の6日終値は前日比0.55%高の6万5995.63、週間ベースでは9月29日終値比0.25%高と、3週ぶりに反発した。

 週明け2日は「マハトマ・ガンジー・ジャヤンティ」の祝日のため、休場。取引が再開された翌3日は指数が下落した。4日も続落、5日は反発した。

 週前半は、休み明け後に取引が再開され、海外市場が軟調となった流れを受け、インド市場でも売りが優勢となった。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長らのタカ派発言で米追加利上げ観測が強まったことが背景。自動車株とエネルギー株が売られ、下げをけん引。なかでも自動車大手アイシャー・モーターズは9月の自動2輪販売低迷を受け、急落した。

 週後半は、米8月求人件数が予想以上に伸びたことを受け、年内の米追加利上げ観測が強まり、米国債利回りが16年ぶりの高水準となったことが嫌気され、アジア市場が下落、インド市場でも売りが広がった。また、引き続き、自動車株が下げをけん引。スズキのインド法人マルチ・スズキ・インド(MSI)は追徴課税問題で売られた。その後は、原油価格の約6%急落や米国債利回りが低下に転じたこと、海外株高が好感され、買いが優勢となった。インドは世界3大原油輸入国の一つとして知られ、原油安は支援材料となる。

 週末6日は続伸。インド準備銀行(中銀)が金融政策決定会合で、金利を据え置いたことや、24年度のインフレ率とGDP伸び率の見通しをそれぞれ5.4%上昇と6.5%増に維持したことが好感され、買いが優勢となった。自社株買いを発表したソフト大手タタ・コンサルタンシー・サービシズなどのテクノロジー株、さらには大規模資金調達を行ったバジャジ・フィンサーブなどの金融株が上げを主導。ただ、米9月雇用統計が強い結果を示したため、年内の米追加利上げ観測が強まり、上値は重くなった。

 今週(9-13日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は12日の8月鉱工業生産と9月CPI(消費者物価指数)、13日の9月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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