<新興国eye>前週のインド株、中東情勢懸念や米長期金利上昇を受け続落=BRICs市況

新興国

2023/10/30 8:58

 前週(23-27日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の27日終値は前日比1.00%高の6万3782.8、週間ベースでは20日終値比2.47%安と、続落した。

 週明け23日は指数が下落。翌24日は「ダシェラ祭」の祝日で休場となった。取引が再開された25日も下落、26日まで6営業日続落した。

 週前半は、イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘激化による中東情勢の悪化を受け、アジア市場が下落し、インド市場でも売りが優勢となった。また、米10年国債利回りが5%超と、16年ぶり高水準に上昇したことも売り材料となった。米金利高がインドから投資資金が米国市場に流出する懸念を高めた。個別銘柄ではコタック・マヒンドラ銀行が下落、下げをけん引。次期CEO(最高経営責任者)に外部のアショック・バスワニ氏が指名されたことが嫌気された。

 週後半は、休み明け後、取引が再開され、中国全国人民代表大会(全人代)の常務委員会で1兆元の国債の追加発行が決まったことを受けて、金属セクターが買われたものの、引けにかけ売りが優勢となった。米長期国債利回りは5%弱に低下したが、依然、高止まりしていることや、中東紛争の先行き懸念が重石となった。その後は、引き続き、中東紛争懸念と、米長期金利高止まり懸念で売りが一段と強まった。また、ITサービス大手テックマヒンドラの7-9月期決算が大幅減益となり、急落。複合企業大手アダニ・グループの傘下企業の株価も急落し、下げをけん引。インドの会計規制当局がアダニ傘下5社の監査を行った英大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)の関連企業を調査するとの憶測が背景。

 週末27日は7営業日ぶりに反発。アジア市場が堅調となったことや、米7-9月期GDP統計で、コアPCE物価指数が前年比2.4%上昇(前期は3.7%上昇)に減速、約3年ぶりの低い伸びとなったこと受け、米長期国債利回りが低下したことが好感され、買いが優勢となった。個別銘柄ではスズキのインド法人マルチ・スズキ・インド(MSI)が好決算で急騰、上げをけん引した。

 今週(10月30日-11月3日)のインド市場は中東紛争やウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、さらにはFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(1日)も注目される。主な経済指標の発表予定は30日の4-6月期国際収支や31日の9月財政収支と9月インフラ部門生産高、1日の10月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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