米10月雇用統計、非農業部門雇用者数は15万人増―市場予想下回る

経済

2023/11/6 8:32

<チェックポイント>

●失業率は3.9%に上昇―平均時給や労働時間も市場予想下回る

●スト長期化の影響で自動車セクターが急減

●市場、12月FOMCでも金利据え置きとの見方強まる

 米労働省が3日に発表した10月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比15万人増となり、市場予想の平均値である18万人増を下回った。また、9月分は29万7000人増(前回発表は33.6万人増)、8月分は16万5000人増(同22.7万人増)にそれぞれ下方改定され、過去3カ月間(8-10月)の月平均は20万4000人増と、9月時点(7-9月)の23万3000人増から減速している。

 失業率は3.9%と、9月や市場予想の3.8%を上回り、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視している27週間以上の長期失業者数の割合は19.8%と、9月の19.1%から上昇に転じた。

 平均時給は前月比0.2%増の34ドルと、前月や市場予想の0.3%増を下回った。労働時間も34.3時間と、前月の34.4時間をやや下回った。需要が弱まると従業員の勤務時間が短縮される傾向がある。

 雇用者数の伸びが鈍化したのは、自動車業界におけるストの影響が大きい。セクター別では、製造業が前月比3万5000人減と、9月の同1万4000人増から減少に転じており、このうち、自動車・同部品製造業は同3万3200人減と、9月の同8900人増から急減した。ストがなければ約18万人増だったとみられる。

 サービス業は前月比11万人増と、9月の21万8000万人増から急減速。このうち、小売業は同700人増(9月は1万3300人増)となり、運輸・倉庫業は同1万2100人減(同1万2500人増)と減少に転じた。また、レジャー・接客業は同1万9000人増と、9月の同7万4000人増から鈍化した。

 部門別では、民間部門が前月比9万9000人増と、9月の24万6000人増から大きく鈍化した。政府部門は9月と同じ同5万1000人増だった。

 10月の雇用者数が4カ月ぶりの低い伸びとなったことを受け、市場ではFRBによる過去の累積的な利上げの効果がようやく及び始めたとして、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)でも政策金利が据え置かれるとの見方が広がっている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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