米10月コアCPI、前月比0.2%上昇―前年比4.0%上昇、市場予想下回る

経済

2023/11/15 9:14

<チェックポイント>

●航空運賃が低下に転じる―シェルター価格も伸び鈍化

●エネルギー価格も低下―ガソリンなどが減速

●12月FOMCでの金利据え置きや来年利下げの可能性織り込む

 米労働省が14日に発表した10月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.2%上昇と、前月や市場予想の平均値である0.3%上昇を下回った。前年比も4.0%上昇と、前月や市場予想の4.1%上昇を下回り、21年9月以来2年1カ月ぶりの低い伸びとなった。

 全体指数は前月比横ばいと、9月の0.4%上昇や市場予想の0.1%上昇を下回った。前年比も3.2%上昇と、9月の3.7%や市場予想の3.3%上昇を下回った。

 カテゴリー別の前月比では、輸送サービスのうち、航空運賃が0.9%低下と、9月の0.3%上昇から低下に転じた。また、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は0.3%上昇と、9月の0.6%上昇から伸びが鈍化した。

 エネルギー全体では2.5%低下と、9月の1.5%上昇から伸びが急減速。ガソリンが5%低下となったほか、暖房用の重油は0.8%低下と、9月の8.5%上昇から低下に転じた。このほか、都市ガス料金は1.2%上昇と、9月の1.9%低下から加速したが、電気料金は0.3%上昇と、9月の1.3%上昇から減速している。

 食品は0.3%上昇と、9月の0.2%上昇から4カ月ぶりに加速した。自宅調理用の食品は0.3%上昇と、9月の0.1%上昇から加速している。

 前年比では、シェルター価格が6.7%上昇と、9月の7.2%上昇を下回った。航空運賃は13.2%低下(9月は13.4%低下)だった。

 このほか、食品は3.3%上昇と、9月の3.7%上昇から鈍化。エネルギーは4.5%低下と、8カ月連続の低下となった。

 市場では、今回のCPIを受けて12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での政策金利の据え置きおよび24年内の利下げ転換の可能性が高まったとの見方が広がった。ただ、物価目標の2%上昇を大きく上回る水準にあることから、早期の目標達成のためには追加利上げに踏み切る可能性もあるとの見方がある。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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