<新興国eye>前週のブラジル株、米インフレ低下や財政規律目標の維持を受け4週続伸=BRICs市況

新興国

2023/11/20 8:59

 前週(13-17日)のブラジル株式市場は17日のボベスパ指数が前日比0.11%高の12万4773.21、週間ベースでは10日終値比3.49%高と、4週続伸した。

 週明け13日は指数が下落、翌14日は反発した。15日は「共和国建国記念日」の祝日のため、休場。16日は続伸した。

 週前半は、米10月インフレ率の発表を間近に控え、慎重な取引となる中で、マイナス圏で引けた。また、中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で23年のインフレ見通しは引き下げられたものの、24年の見通しが引き上げられたことも売り材料となった。その後は、欧州市場が堅調となったことや、米10月インフレ率(全体指数)が予想を下回り、2カ月連続で減速、22年7月以来1年3カ月ぶりの低い伸びとなったことを受け、米利上げサイクルの終了観測が強まり、買いが優勢となった。

 週後半は、休み明け後、取引が再開され、政府が24年度の財政再建目標の変更を断念したことが好感され、買いが一段と強まった。これまでルラ大統領は財政健全化について、「24年に財政赤字ゼロという目標を達成するのは難しい」と発言、財政規律の目標が変更されるとの懸念があった。

 週末17日は3営業日続伸。引き続き、財政規律目標の維持が好感され、買いが強まったが、イーコマース(電子商取引)大手アメリカーナスが22年度決算で129億レアルの大幅赤字となり、急落したため、上値は重くなった。

 今週(20-24日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は24日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)11月消費者信頼感指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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