<新興国eye>トルコ11月経済信頼感指数、サービス・小売りが悪化、建設は改善―設備稼働率は上昇

新興国

2023/11/29 8:44

 トルコ統計局が先週末(24日)発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す11月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)はサービス業の全体指数が前月比2.4%低下の110.9と、前月(10月)の同0.5%上昇から再び低下(悪化)に転じ、21年6月(108.5)以来、2年5カ月ぶりの低水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比4.0%低下(前月は0.3%低下)の110.0と、4カ月連続で悪化(低下)した。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同4.6%低下(同0.9%上昇)の108.0と、6カ月ぶりに悪化。対照的に、今後3カ月間の需要見通し(先行指数)は同1.6%上昇(同0.9%上昇)の114.8と、2カ月連続で改善した。

 小売業は前月比1.9%低下(前月は3.3%低下)の111.7と、2カ月連続で悪化、21年8月(110.3)以来、2年3カ月ぶりの低水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同3.3%低下(同2.8%低下)の116.4と、4カ月連続で悪化、今後3カ月間の販売見通しも同2.1%低下(同3.9%低下)の123.4と、2カ月連続で悪化した。商品在庫は同横ばい(同2.9%低下)の95.4となり、在庫過剰感は依然高い。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業は前月比2.2%上昇(前月は0.9%上昇)の91.0と、3カ月連続で改善、5月(92.2)以来の高水準となった。サブ指数の受注残は同1.7%上昇(同0.2%上昇)の83.5と、2カ月連続で改善。今後3カ月間の雇用見通しも同2.6%上昇(同1.4%上昇)の98.6と、3カ月連続で改善した。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した11月の製造業設備稼働率(季節調整前)は78.0%と、前月(10月)の77.4%から0.6ポイント上昇。依然、コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回っている。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいた。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の78.9%(前月は78.8%)で、前月をやや上回った。次いで中間財の76.7%(同76.2%)、非耐久財の74.8%(同73.9%)、消費財の74.6%(同73.8%)、耐久財の73.4%(同73.0%)で、いずれも前月を上回った。

 他方、季節調整後(SA)の製造業設備稼働率は11月が77.5%と、前月(76.8%)を大幅に上回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

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