<新興国eye>前週のブラジル株、インフレ見通しの改善や国債格付け引き上げ受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/12/25 9:04

 前週(18-22日)のブラジル株式市場は22日のボベスパ指数が前日比0.43%高の13万2752.9、週間ベースでは15日終値比1.96%高と、続伸、過去最高値を更新した。

 週明け18日は指数が上昇、翌19日も続伸した。20日は反落、21日は反発した。

 週前半は、買いが優勢となり、指数は13万1084ポイントを記録、過去最高値を更新。ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」(エコノミスト予想)で、23年のインフレ見通しが前週予想の4.51%上昇から4.49%上昇に引き下げられたことが支援材料となった。その後は、中銀の金融政策決定会合の議事録が公表され、利下げと利下げペースが再確認されたことを好感、買いが一段と強まった。また、米信用格付け大手S&Pグローバル・レーティングスがブラジルのソブリン債格付けを「BBマイナス」から「BB」に引き上げたことも支援材料となった。ただ、BBは依然、投資不適格級。

 週後半は、GDP伸び率の先行指標となっている10月IBC-Br(経済活動指数)が前月比0.06%低下と、3カ月連続で低下、8-10月期で前期比0.42%低下となったことが嫌気され、売りが優勢となった。銀行と小売りのセクターが売られ、下げをけん引。その後は、中銀の最新の経済予測が公表され、23年のインフレ見通しが従来予想の5.0%上昇から4.6%上昇に引き下げられたことを好感、買いが優勢となった。また、鉄鉱石相場の上昇を受け、鉱山大手ヴァーレが急騰、上げを主導した。

 週末22日は続伸。指数が13万2000ポイントを上回り、過去最高値を更新した。市場が注目した米国の11月コアPCE(個人消費支出)物価指数)が前月比0.1%上昇、前年比3.2%上昇と、市場予想と一致したことを受け、FRB(米連邦準備制度理事会)が24年の早期に利下げ転換するとの思惑が強まり、買いが一段と強まった。

 今週(26-28日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は28日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)12月IGP-MIインフレ指数と12月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、29日の11月財政収支など。25日は「クリスマス」の祝日のため、また、29日は年末のため、休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ