<新興国eye>前週の上海総合指数、元安や外国人投資家の売り越しを受け続落=BRICs市況

新興国

2024/4/1 9:04

 前週(3月25-29日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで続落。29日は3041.17(22日終値比0.23%安)だった。

 週明け25日は指数が下落。翌26日は小反発した。27日は反落、28日は反発した。

 週前半は、李強首相が講演で追加景気対策を打ち出す余地があると指摘したことが好感され、買いが先行したが、ハイテクやメディアに利食い売りが強まり、マイナス圏で終わった。その後は資金繰りが悪化している不動産開発セクター向け融資の承認を急ぐよう当局が銀行に指示したことが好感され、買いが優勢となった。また、外国人投資家の買い越しも支援材料となった。ただ、通貨人民元の下落が嫌気され、上値は重くなった。

 週後半は、外国人投資家が売り越しに転じ、売りが優勢となった。1-2月工業部門利益が前年比10.2%増となったものの、不動産市場の低迷が利益を抑制しているとの懸念が強まり、株価を押し上げるまでには至らなかった。その後は、習近平国家主席が景気を支援するため、流動性供給を強める必要性を強調したとの観測報道を受け、景気刺激期待から買いが強まった。

 週末29日は続伸。金融株が上げをけん引した。政府系ファンドの中央匯金が優良株に投資、株価支援を行ったことが好感され、買いが一段と強まった。

 今週(1-3日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は1日の3月CAIXIN(財新)中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や3日の3月CAIXIN(財新)中国サービス業PMIなど。4-5日は「建国記念日」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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