<新興国eye>前週のブラジル株、米利下げ遅延懸念を受け3週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2024/4/8 8:58

 前週(1-5日)のブラジル株式市場は5日のボベスパ指数が前日比0.5%安の12万6795.41、週間ベースでも3月28日終値比1.0%安となり、3週ぶりに反落した。

 週明け1日は指数が下落。翌2日は反発した。3日は小反落。4日は小反発した。

 週前半は、海外市場が軟調となったことを受け、ブラジル市場でも売りが優勢となった。また、米3月ISM(サプライマネジメント協会)製造業景況感指数が50.3と、1年半ぶりに「拡大」と「縮小」の境目となる50を超えたことから、米金利の長期化懸念が強まったことも売り材料となった。米金利高はブラジルなど新興国市場からの資金流出リスクを高める。

 その後は、中銀が通貨レアル安阻止のドル売り介入を実施したことが好感され、買いが優勢となった。また、原油や鉄鉱石などのコモディティ(国際相場商品)の上昇を受け、資源セクターが買われ、上げを主導。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)傘下のクリーブランド地区連銀のロレッタ・メスター総裁が講演で利下げを急ぐ必要はないとした上で、今年後半が望ましいとしたことから、金利の高止まり懸念が強り、上値が重くなった。

 週後半は、売りが先行したが、FRBのジェローム・パウエル議長が講演で利下げ開始に関し、「最近の統計は全体像を大きく変えるものではない」と述べたことを受け、6月利下げ開始の可能性は消えていないとの見方が強まったため、下値は限られた。その後は、国営石油大手ペトロブラスが特別配当の実施を決めたことが好感され、家具・電子機器小売り大手マガジン・ルイザとともに上げをけん引した。ただ、オンライン小売大手グルポ・カサス・バイアとアパレル大手アレッツォが急落したため、上値が抑えられた。

 週末5日は反落。米3月雇用統計が強い内容となったことを受け、米利下げ開始が遅れるとの懸念が広がり、売りが優勢となった。

 今週(8-12日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は8日の3月自動車生産・販売台数や10日の3月IPCA(拡大消費者物価指数)、11日の2月小売売上高、12日の2月サービス業成長率など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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