<新興国eye>前週の上海総合指数、政府の景気テコ入れ策の発表を受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/8/7 9:03

 前週(7月31日-8月4日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで続伸。4日は3288.08(7月28日終値比0.37%高)だった。

 週明け31日は指数が上昇。8月相場入りした翌1日は小反落した。2日も続落。3日は反発した。

 週前半は、政府が一連の景気支援策、特に、不振にあえぐ不動産セクターのテコ入れ策を発表したことが好感され、買いが優勢となった。中国国務院(内閣)は自動車や不動産、サービスの各セクターのテコ入れ策として、新エネルギー車(NEV)向け充電インフラの改善や、賃貸住宅の供給拡大、地方の観光促進、さらには北京や深センなど大都市での住宅取得支援を講じる方針を示した。その後は、政府の景気テコ入れ策の発表にもかかわらず、対策の小出し感が強く、強力な措置に欠けるとして、利益確定売りが強まった。

 週後半は、引き続き、政府の一連の景気対策への不信感と、財政省や工業情報化省、金融・証券規制当局、中国人民銀行(中銀)が中小企業の金融支援を強化する方針を示したものの、反応薄となり、売りが優勢となった。その後は、国営メディアが株式投資による資産効果が個人所得を押し上げ、消費拡大に寄与すると報じたことを受け、金融株を中心に買いが優勢となった。

 週末4日は続伸。人民銀の潘功勝総裁が預金準備率の引き下げや、公開市場操作など金融政策手段を活用し、銀行システムの流動性を適度に潤沢にすると発言したことが好感され、買いが一段と強まった。ただ、人民銀と国家発展改革委員会(発改委)の記者会見は内容が乏しく、期待外れに終わったため、上値は重くなった。

 今週(7-11日)の株式市場は台湾情勢やハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は8日の7月貿易収支や9日の7月CPI(消費者物価指数)と7月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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