<新興国eye>前週のブラジル株、FRB議事録や中国の景気後退懸念などで4週続落=BRICs市況

新興国

2023/8/21 9:03

 前週(14-18日)のブラジル株式市場は18日のボベスパ指数が前日比0.37%高の11万5408.5、週間ベースでは11日終値比2.25%安と、4週続落した。

 週明け14日は指数が下落。17日まで13営業日続落した。

 週前半は、ブラジル経済の減速懸念が強まり、売りが優勢となった。GDP伸び率の先行指標となっている6月IBC-Br(経済活動指数)が前月比0.63%上昇、前年比2.1%上昇となったが、4-6月期が前期比0.43%上昇と、前期の同2.21%上昇から急減速したことが背景。また、中国不動産開発大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)のデフォルト(債務不履行)懸念も売り材料となった。

 その後は、中国の7月小売売上高が前年比2.5%増と、3カ月連続で伸びが鈍化、市場予想(4.4%増)も下回り、中国の景気減速懸念が強まったことを受け、売りが広がった。ただ、国営石油大手ペトロブラスが原油高・ドル高を受け、ガソリンとディーゼルの価格を引き上げたことが好感されたため、下げは限定的となった。

 週後半は、FRB(米連邦準備制度理事会)の議事録が公表され、年内の追加利上げ観測が強まり、売りが優勢となった。また、新たな財政支出ルールを決める財政枠組みの下院採決を巡り、フェルナンド・ハダド財務相とアルトゥール・リラ下院議長との対立関係が深まった政治不安も売り材料。その後は、引き続き、FRBの議事録の発表が重石となった。大半のFOMC(米連邦公開市場委員会)委員がインフレ上振れリスクを認識、年内の追加利上げの必要性を指摘した一方で、金利上昇による米経済への悪影響も懸念していることが嫌気された。これで13営業日連続の下落となり、1968年にボベスパ指数が創設されて以来、過去最長記録となった。

 週末18日は小反発。政府の財政枠組みがいつ下院で採決されるか、また、中国の景気減速や米追加利上げが懸念され、売り買いが交錯する中、プラス圏で引け、相場下落はようやく13営業日連続で終わった。

 今週(21-25日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、BRICs首脳会議(22-24日)なども注目される。主な経済指標の発表予定は25日の7月経常収支と8月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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