<新興国eye>前週のインド株、予想上回る2QGDPや海外株高などで6週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2023/9/4 8:57

 前週(8月28日-9月1日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の1日終値は前日比0.86%高の6万5387.16、週間ベースでは8月25日終値比0.77%高と、6週ぶりに反発した。

 週明け28日は指数が上昇、30日まで3日続伸した。31日は反落。

 週前半は、重要な貿易相手国である中国が不動産危機への対応策を発表したことを好感、買いが優勢となった。個別銘柄では指数の構成ウエートが高い複合企業大手リライアンス・インダストリーズが年次株主総会を開き、子会社の新規上場計画を発表したが、利益確定売りに押されたため、上値は重くなった。

 その後は、海外株高を好感、買いが一段と強まった。リライアンスから分社化、前週、新規上場したジオ・フィナンシャル・サービシズが急騰、中国など海外景気の回復期待で鉄鋼大手タタ・スチールなどの金属セクター、さらにはアパレル輸出大手ゴカルダス・エクスポーツがアラブ首長国連邦(UAE)のアパレル製造大手アトラコ・グループの買収発表、また、電力大手SJVNも太陽光発電の受注が好感され、急騰、上げをけん引した。

 週後半は、米経済指標の軟化を受け、米追加利上げ懸念が後退、買いが優勢となった。個別銘柄ではジオ・フィナンシャルが3連騰したことや、中国政府の不動産危機対策の発表を受け、金属セクターが買われ、上げをけん引した。ジオは株価急騰を受け、SENSEX指数とニフティ50指数からの除外が延期された。その後は、4-6月期GDPの発表を控え、積極的な取引が抑えられたことや、複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下のアダニ・エンタープライゼズとアダニ・ポーツが急落、下げを主導した。

 9月相場入りした週末1日は急反発。中国人民銀行(中銀)が新たな景気刺激策として、準備預金のうち、外貨建て預金の保有量を削減すると発表したことが好感され、買いが優勢となった。また、インドの4-6月期GDP伸び率が前年比7.8%増と、前期(6.1%増)や市場予想(7.7%増)を上回り、1年ぶりの高い伸びとなったことも買い材料。また、個別銘柄では国営銀行の格付けが据え置かれたことが好感され、上げを主導した。

 今週(4-8日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は5日の8月日経インド非製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ