<新興国eye>前週のブラジル株、利下げ観測や中国の景気指標改善などを受け反発=BRICs市況

新興国

2023/9/19 8:56

 前週(11-15日)のブラジル株式市場は15日のボベスパ指数が前日比0.53%安の11万8757.5、週間ベースでは8日終値比2.99%高と、反発した。

 週明け11日は指数が上昇、14日まで4日続伸した。

 週前半は、海外株高を受け、ブラジル市場でも買いが優勢となった。重要な貿易相手国である中国の8月CPI(消費者物価指数)が前年比0.1%上昇と、市場予想(0.2%上昇)を下回り、景気支援の追加利下げが容易になったとの憶測、さらには、ブラジルの8月インフレ率も前月比で低下が予想されるため、追加利下げへの期待も支援材料となった。その後は、ブラジルの8月IPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.23%上昇(前年比4.61%上昇)と、市場予想(前月比0.28%上昇、前年比4.67%上昇)を下回ったため、中銀の次回月会合(20日)で0.5ポイントの追加利下げ観測が広がった。

 週後半は、米8月CPI(消費者物価指数)が前月比0.6%上昇と、市場予想と一致したことを受け、FRB(米連邦準備制度理事会)の9月20日会合で利上げが避けられるとの憶測が強まり、買いが優勢となった。その後は、中国人民銀行(中銀)が景気支援のため、銀行の預金準備率を0.25ポイント引き下げたことが好感され、買いが一段と強まった。また、鉱山大手ヴァーレが鉄鉱石相場の上昇を受け、急騰、上げを主導した。

 週末15日は反落。買いが先行したが、米国の3大自動車メーカーがUAW(全米自動車労組)のスト突入により、業績に悪影響が及ぶとの懸念が広がり、売りが優勢となった。ただ、中国の8月の鉱工業生産(前年比4.5%増)と小売売上高(同4.6%増)がいずれも改善、市場予想を上回ったため、下げは限定的となった。

 今週(18-22日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、中銀の金融政策決定会合(20日)なども注目される。主な経済指標の発表予定は18日の9月IGP-10インフレ指数(8月11日-9月10日まで物価変動指数)や19日のGDP伸び率の先行指標となっている7月IBC-Br(経済活動指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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