<新興国eye>前週のブラジル株、米金利高止まり懸念や慎重な国内利下げ見通しに反落=BRICs市況

新興国

2023/9/25 8:54

 前週(18-22日)のブラジル株式市場は22日のボベスパ指数が前日比0.12%安の11万6008.64、週間ベースでは15日終値比2.31%安と、反落した。

 週明け18日は指数が下落、19日まで3営業日続落した。20日は反発、21日は急反落した。

 週前半は、ブラジル中銀とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(いずれも20日)を控え、積極的な買いが抑えられる中、マイナス圏で引けた。ただ、ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年のインフレ見通しが前週予想の4.93%上昇から4.86%上昇に引き下げられたことが好感されたため、下値は限られた。その後は、引き続き、ブラジルと米国の金融政策決定会合を控え、様子見気分が強まった。

 週後半は、FRBが市場の予想通り、金利を据え置いたことを好感、買いが優勢となった。ただ、ドル高・通貨レアル安が進んだため、上値は限られた。また、ブラジル中銀の会合結果が引け後に発表されるため、様子見気分が広がった。その後は、FRBの金利据え置き決定が見直され、米金利の高止まりが長期化するとの見方で急速に売りが強まった。また、ドル高・レアル安が急速に進んだことも売り材料となった。個別銘柄では建設大手MRVや家具・電子機器小売り大手マガジン・ルイザ、複合企業大手ソーマグループが急落、下げをけん引。

 週末22日は続落。引き続き、米金利高の長期化や年内追加利上げの懸念が強まり、相場を下押しした。また、ブラジル中銀は予想通り、0.50ポイントの利下げを決めたが、政府の財政規律の動きを注視、急速な利下げに消極的な姿勢を示したことも重石となった。

 今週(25-29日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は25日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)9月消費者信頼感指数と8月経常収支、26日の9月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、28日のFGV9月IGP-MIインフレ指数、29日の8月財政収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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