<新興国eye>前週のブラジル株、原油高や成長率予測の上ブレ、米金利高緩和で反発=BRICs市況

新興国

2023/10/2 9:05

 前週(25-29日)のブラジル株式市場は29日のボベスパ指数が前日比0.72%高の11万6565.17、週間ベースでは22日終値比0.48%高と、反発した。

 週明け25日は指数が下落、翌26日まで4営業日続落した。27日は小反発、28日も続伸した。

 週前半は、米金利高の長期化懸念や、経営再建中の中国不動産大手、中国恒大が350億ドルの債務再編計画を中止したことを受け、中国経済への悪影響懸念が強まり、ブラジル市場ではリスク選好投資が回避され、売りが優勢となった。その後は、ブラジル中銀の議事録が公表され、インフレ期待が依然として高く、利下げペースが加速する可能性が低いことや、財政支出拡大が物価上昇圧力になるとの指摘が嫌気され、売りが一段と強まった。

 週後半は、手掛かり材料難の中、原油価格の上昇を受け、国営石油大手ペトロブラスや石油・ガス大手ペトロ・リオなどが急騰、上げをけん引した。その後は、米4-6月期GDP(国内総生産)伸び率の改定値が前期比年率換算で2.1%増と、市場予想(2.4%増)を下回り、景気減速が示されたことを受け、米金利高の長期化懸念が緩和、買いが優勢となった。また、ブラジル中銀が今年の経済成長率の見通しを2%増から2.9%増に上方修正したことも支援材料となった。

 週末29日は3日続伸。FRB(米連邦準備制度理事会)が重視するインフレ指標である8月コアPCE(個人消費支出)物価指数が前月比0.1%上昇と、市場予想(0.2%上昇)を下回ったことを受け、FRBの金融引き締め政策が物価を抑制しているとの見方を強め、買い安心感が広がった。

 今週(10月2-6日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。主な経済指標の発表予定は2日の9月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)と9月S&Pグルーバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)、9月貿易収支、3日の8月鉱工業生産、4日の9月S&Pグルーバル・ブラジル非製造業PMI、6日の9月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP―DIインフレ指数(全国卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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