<新興国eye>前週のブラジル株、米GDP統計や国内のインフレ減速を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/10/30 8:59

 前週(23-27日)のブラジル株式市場は27日のボベスパ指数が前日比1.29%安の11万3301.35、週間ベースでは20日終値比0.13%高と、反発した。

 週明け23日は指数が下落、翌24日は反発した。25日は反落、26日は急反発した。

 週前半は、中東情勢の一時的緩和を受け、原油価格が低下、指数の構成ウェートが高い国営石油大手ペトロブラスが6%超急落し、下げをけん引した。その後は、指数の構成ウェートが高いもう一つの鉱山大手ヴァーレが鉄鉱石相場の上昇を受けて急騰、上げを主導した。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を間近に控え、米金利の高止まり懸念が強く、上値は重くなった。

 週後半は、イスラエルのネタンヤフ首相がガザ地区への地上侵攻を断念しないと改めて強調したことを受け、海外市場でリスク選好投資が抑えられたことが嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄では電気モーターや発電機、変圧器などを生産しているWEGが低調な四半期決算を受け、急落、下げをけん引した。

 その後は、米7-9月期GDP伸び率が前年比4.9%増と、伸びが急加速したことや、コアPCE物価指数が前年比2.4%上昇に減速したことが好感され、買いが優勢となった。また、国内では10月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.21%上昇に減速したことも中銀の利下げ継続観測を強め、支援材料となった。

 週末27日は急反落。ルラ大統領の財政再建に関する演説内容が嫌気され、売りが優勢となった。大統領は財政健全化について、「24年に財政赤字ゼロという目標を達成するのは難しい」と発言した。

 今週(10月30日-11月3日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、FRBとブラジル中銀の金融政策決定会合(いずれも1日)なども注目される。主な経済指標の発表予定は30日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)10月IGP-MIインフレ指数と9月財政収支、1日の10月貿易収支、2日の10月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所の消費者物価指数)など。2日は「諸聖人の日(死者の日)」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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