株式新聞・24年相場アンケート(3)注目銘柄とテーマ、半導体への期待大きく

 

 2024年の注目テーマの首位には「半導体」が輝き、注目銘柄もその関連株が席巻した。生成AI(人工知能)の登場に伴うデータセンター向け需要の拡大や、低迷していたメモリー市況の回復が焦点となる。

1位はTOWAとレーザーテク

 市場関係者が選んだ注目銘柄(対象は東証プライム市場とスタンダード市場)は、1位に同票(3人)のTOWA(6315)とレーザーテック(6920)が並んだ。いずれもセクターの有力格。23年も好パフォーマンスを上げたことで知名度が高い。

 特にレーザーテクは値がさながらも常に商いが多く、機関投資家からセミプロ、個人まで幅広い層が手掛ける全員参加型の銘柄だ。半導体のフォトマスク欠陥検査で圧倒的な世界シェアを誇り、高輝度光源「URASHIMA」を搭載した新製品「A300」への期待が膨らんでいる。

 TOWAは、ウエハーから切断したチップを樹脂で封止するモールディング装置の大手。こちらも「コンプレッション成型方式」を導入した新製品により商機が拡大している。

 昨年のアンケートでメガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)の人気が突出していたのとは対照的に、半導体関連を中心に票が分散した。2位(各2人)にも製造装置大手の東京エレクトロン(8035)とテスターのアドバンテスト(6857)がランクインした。

テーマは脱デフレや企業改革も

 同じく2位となったのがPKSHA Technology(3993)。今回の半導体相場とは地続きのポジションにある、AI(人工知能)の関連株だ。このほか、材料豊富なワイエイシイホールディングス(=YACHD、6298)、原発再稼働をうかがう東京電力ホールディングス(9501)、おなじみのソフトバンクグループ(9984)、根強い人気の三菱UFJも複数票を得た。

 注目テーマは18人が挙げた半導体に続き、「脱デフレ」(賃上げ、日銀政策転換なども含む)も13人と多かった。バブル崩壊後の失われた30年からの転換が実現すれば、社会も市場も大きく変わるだろう。

 また、23年から引き継がれるテーマである「資本・企業改革の継続」(資本効率改善のための株主還元や成長投資、親子上場解消など)が7人で3位。水素やEV(電気自動車)を一くくりにした「脱炭素」も同数の票を集めた。

 このほか、複数人が選んだテーマは「AI・生成AI」(5人)、「労働時間規制(24年問題)」(4人)、防衛(3人)など。いずれも、折に触れて関連銘柄が人気化することになりそうだ。

<検証>

 昨年のアンケートで1位に選ばれた三菱UFJは、見事に期待に応える値動きを示した。株価は一時、年末比で約1.5倍まで高騰。2位の東エレクも上場来高値を更新する好成績を残している。

※右の画像クリックで表・グラフ拡大

(写真:123RF)

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